防衛について

今回は家庭を離れて、国の防衛について考えてみたいと思う。国の防衛と聞くと、まず自衛隊が頭に浮かぶことだろう。自衛隊は軍隊なのか、憲法9条に違反してるのではないか、などの議論はあるものの、とりあえず、合憲であるということであれば、私は自衛隊というある種の武力を防衛のために日本が持つことに異論はない。

しかし、日本にはもう一つの軍隊があり、それが米軍である。日本各地に米軍基地があり、沖縄が一番有名かつ広大であるが、横田基地や、横須賀、岩国、佐世保などにもある。そして、おもいやり予算は毎年2000億円程度。いくら同盟国とは言え、他国の軍隊が一箇所ではなく、数箇所に分散して駐留しているというのは、危険なことではないかと思ってしまう。今までの歴史から見ても、同盟国というのは、時代や状況によって変わっていくので、いつ米国が敵国になるか分からないのである。つまり、米軍の駐留は他国からの攻撃の抑止力になるということもあるだろうが、同時に米国からの先制攻撃のチャンスを与えているとも言えるし、逆に日本が何かする時の抑止力にもなってしまうということだ。

また、米軍が駐留している根拠は日米安保条約であり、それは日本を守ってくれるためと、多くの日本国民は思っているが、ここに大きな落とし穴があると思っている。

まず今まで例えば、中国籍の船が日本の領海内に入って来たとき、または北朝鮮がミサイルを発射した時に、米軍は何か守ってくれたか?いつでも自衛隊が率先して対応していたと記憶している。

しかし、それは当然のことなのである。軍隊を動かし、抗戦するためには、大義名分が必要になる。あの国と戦わなければ、我々は全員殺されてしまう、とか、あの国は悪の枢軸だ、とか、我々は彼らに仕返しをする、とかこういうことがなければ、兵士やその家族や恋人、友人は派兵に納得しないし、国内に厭戦ムードが流れてしまう。そもそも、戦争というのは、国が自国の兵士をある意味騙すことでしか始められないのである。誰だって他人を殺したり、または自分や、自分の家族が殺されるのは嫌だ。しかし、あいつを殺さないと自分や家族が殺されるとか、祖国のために、子孫のために、とか、そういう洗脳に近いインプットによってコントロールして、あとは全体主義で、みんながやるから君もやろう!みたいな空気を醸成して、戦争の準備が整うのだ。

逆に、皮肉なことであるが、911のようなことが起きれば、戦争への舵切りは比較的に簡単である。コロナワクチンの承認もそうだが、緊急非常事態には、人々のマインドをコントロールしやすくなるのだ。

上記のように、日本が例えば他の国から突然攻撃された時に、在日米軍が日本を守るために戦うかと言えば、本国に対する大義名分が無く、きっとすぐにはその国を攻撃したり、日本を守ったりは出来ないだろう。きっとこれが現実だ。

では、何のためにいるのか?何のためのおもいやり予算なのか?少し疑問が残る。

そして、本題はようやくここからなのだが、自衛隊にしても、在日米国にしても、それぞれの日本における存在意義は日本の防衛である。つまり、日本の土地や財産を、日本人の命を守ることであるとすれば、今、防衛費で米国の戦闘機を買ったり、頻繁に軍事演習をする時期だろうか、とふと疑問に思う。

まず、もちろん今はコロナウイルスもあるが、日本のあらゆるところで大きな災害も起きているし、今後大きな地震がくるということも予想されており、さらにお金がなくて手術が出来ない人や介護が受けられない人、そもそも生活に困窮している家庭もたくさんある。それこそ、国民の命が奪われる危険なものばかりである。

もちろん、武力を解除しろとは言わないが、国民の命を守るのが防衛であれば、本当に今命の危機にさらされている人を社会保障に加えて、防衛費でもまた守ることは出来ないのだろうか。