総裁選について

菅総理の不出馬が決まってから、自民党内は以前に増して慌ただしくなり、党内の色んなパワーバランスが崩れだしている。

残念だなと思うことは、自民党総裁選ということは即ち、日本の総理大臣が決まるイベントではあるが、自民党内は慌ただしく動いていても、国民はそれを眺めることしか出来ないのである。もちろん、世論調査は行われて、国民の意見も伝わることは確かだが、やはり国民は蚊帳の外という感じがする。

ただ、菅総理がそこまで悪かったか、と言えば、そうも思わない。コロナ対策が主な成果だったかもしれないが、ほとんど総理大臣が決められることはなく、WHOという国際組織や日本の各組織の圧力によって決まったことが多かったし、オリンピックもIOCのせいで開催せざるを得なかっただろうし、ワクチン接種が他国に比べて遅かったのは、ギリギリまでアメリカのワクチンヤクザと戦っていた証拠だと思う。ワクチンの危険性を政府は知っていて、最後まで日本国民を守ろうとした。しかし、どんな脅しがあったのかは分からないが、最後は屈しないといけなかったのだろう。結果として、ワクチン接種が広がってから、日本では感染が爆発している。偶然だろうか。

よって、誰が首相でも自民党出身であれば、結果は同じだったと思われる。結局、支持率がものすごく下がったのが、ワクチン接種の遅れと、オリンピック後のコロナ拡大とその結果としての医療崩壊なので、そこの責任を取らされた形か。つまりは尻尾切り。それとも、前総理のスキャンダルの数々を有耶無耶にするために登場し、元々期限付きの首相だったのか。コロナ、コロナで、マスコミも誰も森友だとか、桜だとか、そんなことは言わなくなっているので、自民党の作戦は成功しているのかもしれない。

ただ、日本という国は首相が変わることで、国は変わらないという珍しい国である。戦後の政治しか分からないが、首相の決断や実行力を行使して政治を大きく変えた首相は、田中角栄くらいではなかろうか。だから、当時のアメリカが放っておけなかった。同じようにセンセーショナルな首相としては、小泉純一郎という人もいたが、彼こそ操り人形だったと思っている。特に郵政民営化は、誰が望んだことだったのか。自民党をぶっ壊すとも言っていたが、未だにその息子も自民党だ。小泉劇場はエンターテインメントとしては国民を喜ばしたが、政策としては国民を大きく裏切り、我々は完全に騙された。よって、田中角栄以外は、基本的には国会などでは官僚の書いた原稿(台本)を読んで、国際会議ではアメリカに追随して、総理の考えで動くことはほとんどなかった。だからこそ日本は、誰が首相になっても国として、ある意味で安定してきたのだとも言える。よって、日本において、首相の良し悪しを決めるのは、スキャンダルのないクリーンさと、印象である。菅総理は、何よりも印象が良くなかったと思われる。

大統領制アメリカと比べるのはもちろん間違っているし、与えられた権限も違うが、大統領が変われば国が変わる、くらいのインパクトがある。よって、大統領の評価は、スキャンダルや印象ももちろんあるが、何をしたかという成果によって、ある程度、他の大統領との比較が出来る。日本の場合はそれが出来ない。よって、菅総理はよく頑張っていたというか、少なくても怠慢だったり、不真面目だったり、安倍前首相のような目立ったスキャンダルもなかったように思うので、本当に不可抗力のコロナ対策だけが彼の足を引っ張ったのか。

とりあえず、もし日本の総理大臣が本当に日本のために動けるようにするためには、国連だとか、WTOだとか、そういう国際機関への参加をやめて、日本は日本独自の考えで国際関係を築いていくことと、中央省庁に権限を集中させず、地方自治体に移管して、官僚主体の政治を止める。そして、地方にそれぞれ影響力のある企業に政治の一端を担ってもらうようにし、企業活動をしやすいように地方を作る。何故なら、日本の雇用を守り、産業を守り、生活を守り、外貨を稼いで納税をしているのは企業であるからだ。

このような外部(外国)からの干渉をなくし、官僚のコントロールから脱却し、企業が中心となる地方自治体のトップとして総理大臣がいれば、その総理大臣は今よりははるかに存在感を発揮出来るようになるはずである。つまり、企業のトップが江戸時代の大名のようなポジションになると考えている。

さて、話は逸れたが、結局何が言いたかったのかと言えば、総裁選で誰が選ばれようと日本や日本人の生活はほとんど変わらないし、外的要因(アメリカや国際機関)と内的要因(派閥や官僚)によってのみ決まるので、そこまで結果に対して興味はなく、誰が選ばれるのかという予想もする気はない。

ただ、この総裁選次第で次の様々な選挙での自民党の票に影響が出るだろうから、国民の生活がどうこうではなく、それを見据えた総裁選びになるのだろう。日本の政治はいつ良くなるのだろうか。そんな気持ちで、総裁選を横目で見ている。