少子化について

少子化については前にも少し触れたが、今回はもう少し深堀してみたい。

私の視点は、日本における少子化の解決方法というのは、女性に対して、または若い夫婦に対して、子どもを産んでいないことを責めるのではなく、またLGBTを否定していくことでもない。少子化を解決するために最も有効かつ、より現実的なのは、生まれた子どもを社会全体として、守り抜いていくことだ。これが日本流だと思う。

子どもを守るとは、いくつかの段階があるように思える。最も守らないといけないのが、子どもの生命と安全、これをレベル1とする。これは、主に虐待に代表される親などからの暴力、さらにネグレクトなどの育児放棄状態から守ること。または、赤ちゃんポストなどに置かれた乳幼児や望まない妊娠をしてしまった女性の救出なども含め、親との縁を完全に切り、日本の子ども、社会の子どもとして、しっかりと育てることである。次に守るべきは、子どもの健康と発育、これをレベル2とする。これはレベル1とは違い、子育てはちゃんとしてるが、忙しいことで、子どもにちゃんとした食事を与えられず、添加物や身体に良くない油や野菜が使われている冷凍食品、ファーストフード、コンビニ弁当など、さらにはお菓子や甘い炭酸飲料ばかり与えてしまう親から守ることだ。核家族の共働きが増えると、どうしても楽で危険な食事に頼りがちで、もちろん虐待とは言わないまでも、程度問題ではあるが、子どもの身体にダメージを与えているという点から深刻さはレベル1とあまり変わらないと思っている。そして、最後は教育であり、これをレベル3とする。これは、所謂、国語算数理科社会などももちろんであるが、それとは別に生活関連や道徳的なこと、躾などを含めた教育であり、家庭での親との関わりや親戚やら、ご近所さんやら、色々な場面で受けるものも含める。

まず、レベル1については、本当に痛ましい事件が報道されてしまうが、報告件数は10万ケースを超えたというから驚きである。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2021031100481&g=soc

しかし、私は親が必ずしも悪いとは思わない。子育てというのは、本当に大変でストレスフルなものであり、色々な事情でそういう行動に出てしまうことについては、一定の理解が、私にはある。しかし、だからと言って、そんなことは許される行為ではないし、子どもに与える影響は計り知れない。よって、そういう行動に出る前に、もっと気軽に子どもを手放せるようにした方がよい。冷たい言い方かもしれないし、無責任な親を増やすだけだと言われるかもしれないが、何よりも大事なことはレベル1の子どもを一人でも多く救うことである。虐待での死亡人数が400人とのことであったが、新しく400人の子どもを産んでもらうようにするのはとても大変なことである。少子化で子どもが少ないというのであれば、このように失われる命を救う方が重要なのだ。そして、赤ちゃんポストももっと増やしていくことも重要である。

次に、レベル2の子どもをどのように救うのかは、色んなアイデアがあると思う。一番保護者にとって楽なのが、冷凍食品が本当に安全で、そして安くしてもらうことである。しかし、安全な食品を作るためにはどうしてもお金がかかる。よって、子どものいる家庭には安全な冷凍食品には補助金を使って安く提供できるようにし、ファーストフードやコンビニ弁当を使わくても家庭で手軽に、安心して冷凍食品が使えると良い。または、保育園や幼稚園で、昼だけでなく、夜も食事が出るようにする。もちろん、夜まで預けるというわけではなく、幼稚園で調理したものをお弁当として持ち帰り、家で食べれるようにするのだ。家で子どもと親が同じものを食べられるようになるのは、離乳食を始めてから結構経たないと無理である。よって、しばらくは、子ども用の食事を親も食べるか、両方作るかと、親はかなり負担がかかる。よって、子どもの分だけでも、保育園や幼稚園から提供してもらえると、随分楽だし、栄養もしっかりとれる。食については、以前書いたような、自治体からの配給制度も考えられる。

最後のレベル3は、色んな教育が学校に頼り切りになっていることが問題な気がしている。そして、学問的なところについて学校では忙し過ぎて手が回らず、放課後の塾などで勉強できる人とそうでない人で差が出てくる。そして、これは勉強だけでなく、色んな習い事にも差が出てきて、機会が与えられない子どもは才能を見つけることも出来ないをこれが、教育格差である。例えば、能力や好き嫌いなどによって教育の差というか、違いが出ることは当然ではあるが、機会は均等に与えられ、さらに競争は平等に行われることが重要だ。そのためには、レベル1の子ども達の施設には、パソコンなどの最新設備が整えられるべきではあるが、それ以外にも広い運動設備や音楽、芸術に触れられる施設、さらには進学塾のような講師と学習設備などが整えられ、最終的には一般家庭の生徒も通えるようなものを作ってあげたい。親に恵まれなくても、その子どもの将来まで恵まれないということがないようにしたい。未来は自分で切り拓くものであるが、環境はある程度整っている必要がある。また、家庭やご近所さんとの繋がりでの教育は、以前の記事で書いた内容なので割愛する。

https://hachyn61.hatenablog.com/entry/2021/07/23/112154

 

少子化の解消とは、子ども絶対数を増やすことだけがアイデアではない。不妊治療の負担を政府が補助すること、育休を取りやすくするとか、それは間違いではないが、ただ、それだけでは駄目で、せっかく生まれたのに、様々な理由で危機にさらされている命を、さらには教育の機会を、必死で社会全体で守ること、それがとても大切である。