映画について

私は色んな芸術が好きだが、その中でも映画は好きな方だ。しかし、やはり時間が制限されるので、年間20作品観れればいい方という感じで、映画好きな人に比べると、全く観てないに等しいと言われるレベルである。

しかし、Filmarksというアプリで今まで観た映画を整理しているが、400作品程度をアップしている。だいたい高校時代くらいからのものから思い出して整理しているので、年間20作品というのは、あながち間違っていない。ただ、大学生時代はかなり色んなジャンルを、そして色んなマイナーな作品を観たが、その辺りが全然思い出せず、filmarksに映されていない映画も多い。

ただ、そんな自分の映画史の中でも印象に残っている作品をいくつか紹介してみたい。

私の一番好きな映画で、DVDを買って何回も観たのは、三谷幸喜監督のマジックアワーである。これは、傑作という名が本当にぴったりの最高の芸術作品だと思った。もちろん、三谷幸喜監督なので、笑いがあることは想像通りだが、その中に色んな要素があり、さらに映画を愛する人々の気持ちが表されていて、本当に素晴らしい映画だった。

また、マジックアワーを観る前まで、好きな映画は?と聞かれた時に答えていたのが、ショーシャンクの空に、であった。これもDVDを買って何度も観たが、私の人生に映画という要素をくれた作品だった。これまで、映画を観たことはもちろんあったが、それは何かの付き合いだったり、テレビでやってるからとか、そういう感じで漫然と観ていたが、映画って面白いな、また色んな映画観たいなと思わせてくれた映画はこれだった。知力と根性、そして友情の物語。私の世界を広げてくれた作品。

また、こんな映画があるのか!と衝撃を受けた作品は、ロシア映画タルコフスキー監督の惑星ソラリスとか、ノスタルジアとか、そういう作品である。映画はストーリーテリングではなく、詩的でなくてはならない、という監督が作る映画は、同じ映画でも見る度に、というか自分のその時の精神状態とかで、随分と受ける印象が変わるという不思議な感覚があった。ハリウッド映画の姿勢で観ていると、全く状況が掴めないまま終わってしまう。これもまた、映画。

古典的な映画もまた素晴らしい。その中で最も好きな映画は、雨に唄えばと寅さんシリーズ。雨に唄えばについては、軽快な歌と踊りで、単純に気分が明るい気持ちになる。寅さんシリーズは、寅さんの金言が今でも新鮮というか、令和の時代にみるから余計に新鮮なのかもしれないが、ネット上で色々人生相談をしたり、なんかアドバイスを求めたりしてる人を見かけるが、まず寅さんを観てはどうかと思う。

また日本の映画といえば、アニメは欠かせない。その中でも世界的に評価が高いのがジブリ作品。そして、私の中ではなんと言ってもトトロ。ジブリ作品はどれも名作だし、それぞれ良さが違うので比べる対象にはなりにくいが、トトロは詩的であり、懐かしさやノスタルジックでもあり、そしてトトロというキャラクターが魅力的であるという見どころ満載の贅沢なフルコース作品である。何度観ても飽きないし、また、親になってから子どもに見せたい映画No.1。しかも、歌もまた素晴らしい。特に『さんぽ』の方のオーケストラバージョンは、高揚感があり、クラシック音楽のような品があり、それなのにどこか親しみやすい。国際的な場で日本の代表曲としてこの曲が使われてもいいような気さえもする。もちろん歌詞は替えないといけないが、映画音楽だけに収まってしまう曲ではないと思うほど、完成度の高い曲だと思っている。

そして、こうやって映画について語っていると、映画の凄さがどこにあるのか分かるようになった。それは、それは映画というのが、色んな芸術の組み合わせであるということなのだ。まずは、文学的な要素。文学と言えば小説や随筆、またルポや論説、さらには詩など色んなジャンルがあるが、どれも映画の題材になり得る。ショーシャンクの空に、なんかはそのストーリー性が際立っていたように思うし、タルコフスキー監督は詩的な映画を常に目指していた。そして、絵画的な要素。それは、一瞬を切り取る写真や絵画、その一瞬が繋がる映像。映画は一瞬一瞬が全て絵画であり、演者の表情、衣装、または背景や小道具など、目に訴えかけるものがとても多い。マジックアワーでは、この辺りのこだわりがまさに細部に行き渡っていた。そして、最後は音楽的な要素。もちろん、曲が流れることもそうだが、様々な効果音もまた映画の魅力である。トトロの名曲もそうだが、雨に唄えばの音楽と踊りのシーンは最高である。

映画は芸術の総合商社であり、幅広く色んな芸術のいいものを取引している。もちろん、映画によって取り扱っている商品(芸術)の違いはあるので、好きな映画を探してみるといい。オススメの探して方は、友人などから好きな映画を聞くというのが一般的かもしれないが、失敗を恐れず、なんでもいいから、テレビで放送されているものなどすぐに観れる映画をまずは観てみるといいと思う。よっぽどジャンルとして苦手というのがなければ、例えば怖いのが苦手なのにホラー映画を観るとか、そんなに観て損したということは起きないと断言できる。何故なら映画とは、どの作品も、多くの人が、多くの時間をかけて、細部までこだわり抜いているからだ。

ここには具体的な映画の名前は挙げていないものの、なんの先入観もないまま観た映画で観て良かったと思った作品は山程ある。そのほとんどが邦画であるが、いつもどれも素晴らしい。何故いつも邦画かというと、ハリウッド系の映画はだいたいテレビをつけると激しく宣伝していて、なかなか先入観無しで観ることが出来ないが、邦画はそこまで宣伝活動に力を入れてないせいか、公開まではほとんど内容が分からないまま観れる。あえて、ハリウッド系でそういう感じで面白かったのは、Table19とThe Intern。

コロナ禍の自粛生活で、たくさん映画を観るようになったという人が増えたと聞いているが、コロナ禍で飛行機に乗らなくなった私は最近あまり映画を観る機会がない。だから、きっとその反動でこんなブログを書きたくなったのかもしれない。