所得倍増について

異例の短期決戦の選挙が始まったが、相変わらずな部分と、なんだこれ?と思う部分が、各政党の党首の演説を聞いていて思った。

相変わらずな部分は、内容のない与党批判を繰り広げ、本気度がいまいち分からない政権交代を掲げる野党と、本当に大事な事は何もやらずに、マスコミと一緒に聞こえの良い政策だけを宣伝する与党、という構図。しかし、なんだこれ?と思ったのは、与党も野党も、所得倍増と格差の是正で一致していたこと。格差の是正は、是非進めて欲しいと思うが、共産党のように大企業に負担を押し付けるやり方では日本経済はダメになる。日本は企業によって成り立っている国であるから、中小企業から大企業までの強い連帯と協力があって国を支えているから、これ以上、法人税で苦しめてはいけない。また、格差の是正で一番いいのは生活必需品について消費税の撤廃、そして海外のブランド品や海外の高級車などに高い税率を適用することで、日本のお金持ちからちゃんと徴収できるし、我々のような一般市民の生活は楽になる。ただ、この方法が有効であるということは残念なことである。何故なら、日本のお金持ちが、海外ブランドや海外の高級車を率先して買っているからである。彼らがちゃんと日本の伝統工芸や本当の素晴らしい商品を分かって購買行動をすれば、もっともっと日本の産業は発展していたと思うが。日本のお金持ちの多くが、自分に自信がなく、お金持ちであることを誇示しようとするために、それらを買い見せびらかしたり、または、知人へのプレゼントとして海外ブランド品を買って見栄を張ったり、どうせのこんなことだと思うが、情けない。

さて、話は反れてしまったが、格差の是正はいいが、所得倍増というか、日本の所得を増やすことはどこまで必要なのか、よく理解出来ないまま、与野党ともにこれを掲げていたので、驚いた。これは、各政党とも言葉は、それぞれ違うので、同じとは一見思えないが、与党は企業に賃上げを、とか共産党は最低限賃金をとか、とりあえず所得を上げることで全政党が一致団結しているように思える。

詳しい経済の話はよく分からないが、国民の所得というのは、国の豊かさの指標になって、他の国との比較に使われる。つまり、他国と豊かさを競うためのものとも言えるので、よく中国なんかは物価が上昇したとか、国民の所得が増えたということを宣伝するのだが、果たしてそれは本当に国民が豊かさになっているのだろうかと疑問に思っていた。

何故なら、物価を上げることや所得を上げることというのは、銀行システムさえ握っていれば、つまり貨幣発行さえ出来れば理論上は可能なのだから、それ自体、本来国民の豊かさとは繋がらないはずなのである。また、日本のデフレというのは、半分以上企業努力によって引き起こされていると思っていて、景気の低迷と言われるが、必死に色んなものを削って消費税増税にも耐えて、安くていいものを提供してきた企業努力の末、今日本はデフレであるが、インドネシアとくらべても安いものが多いのは、企業努力としか言えないと思っている。つまり、単純に考えると、各政党が日本人の給料は先進国で唯一30年間横ばいだと訴えるが、日本で暮らす上で、企業努力によるデフレがあって、むしろ暮らしやすくなっているのでは?と思う。もちろん、ある時点から非正規雇用が一般化してしまい、人材派遣会社ばかりたくさん増えてしまっているが、この以前の悪政を元に戻すくらいの政策で十分で、あとは給料なんてものは市場原理に任せればいいのではないか?と思う。何も政治家が介入する話でもないし、確かに給料が上がるのは嬉しいが、それによって物価も上がるなら、子育て世帯からすれば、別に嬉しくもない。

また、日本はコロナ禍の後は観光産業に力を入れると言っていたが、物価が上がってしまえば、海外からの観光客も少なくなる。中国人の爆買が一時話題になったが、今やタイやベトナムからも爆買する客が来るようになっているとのことで、デフレは決して悪いことばかりではない。しかし、もちろん輸入品が高くなり、日本から海外へ旅行するのは高くなるが、まず日本の輸入品といえば、戦闘機や大豆などアメリカから政治的に輸入しているものもあるが、圧倒的に原材料などが多い。これらのものは今のような買い方(日本は現在、世界で一番高い値段で石油を買っている)をしなれば、世界で基本的には同じ値段になる。そして、日本の場合は、それらを加工して売るわけだが、品質は言うまでもないが、デフレが続いていれば、他国よりは安く売れるはずで、競争力が出る。

よって、日本のデフレが続いて、給料が上がらない現状は、以前のバブル期のように、日本人が海外で土地を買ったり、豪遊したりすることは出来なくなりつつあるが、しかし、日本人が日本で慎ましく暮らすには、とても幸せな状況なのではないか?とふと思った。

しかし、どうしてこのタイミングで所得を増やせという大号令が出ているのかと言えば、それはまたアメリカからの指示だろうと思っている。これまで、バブル期の日本をみて、必死に日本の低所得化、貧困化を推し進めてきたアメリカだったが、ここに来て中国の台頭に悩み、それの対抗馬として、オーストラリアや台湾には軍事的、政治的に対立するように働きかけ、そして日本には経済的な変革を迫っているということなのかと思っている。確かに、対中国という視点から考えると、爆買されて喜んでいるのは危険で、化粧品やら、家電を売っているうちはいいが、北海道の土地やら、一番怖いと思っているのは、日本の水源を買われてしまうことだ。

どこかの記事にも書いたように、世界は乾燥していて、水が豊富に使える国は本当に少数派であり、日本は本当に恵まれている。しかし、何故だか分からないが、それを知らない日本人が多く、水への危機感、またはゲームチェンジャーの可能性をあまり理解していない。しかし、中国はちゃんと分かっている。中国もほとんどが乾燥地帯であり、水には苦労している。しかし、日本がデフレで地価が下がれば、そういう水源も狙われてしまい、それこそ石油利権のように、水利権が奪われるというか、日本人の水道料金が高くなり、それが中国への献金になる可能性もあるということなのだ。それ以外にも、日本にはたくさんの中小企業の技術だったり、産業だったり、あとは農業や漁業など、本当に世界基準で素晴らしいものが多いのだが、それらが買われてしまうという危機がある。それは経済的戦争であり、対抗するためには戦力、つまり経済力、つまりはデフレ脱却と賃金アップなのである。

そう考えれば、国民の生活がどうこうということより、防衛のため、アメリカの指示のもと、このような政策が叫ばれているんだなと納得した。

以前の総裁選でも書いたが、誰が首相だろうが、どこが政権政党だろうが、あまり関係ないのが日本政治のいいところでもあり、悪いところでもある。もちろん、選挙には行こうと思うが、期待をするわけではなく、いつか日本人のための、本物の政治家が出てくれるのを信じるだけである。

 

この記事は何も裏付けのないものなので、みなさんからコメントをもらったあと、削除するかもしれません。本当に夢物語をダラダラと書いてみただけです。