衆議院選挙について

さて、急転直下、総理が変わり、衆議院選挙が行われ、なんだか慌ただしい永田町ではあるが、今回も投票率はまた低いとのこと。

私はとりあえず投票したが、わざわざ投票しに行かないのが正解な気がする。それは、麻生太郎氏が昔、日本人が政治に無関心なのは、政治が安定していて、国民に不満が少ないからで、政局が不安定な国はみんな高い投票率だ、みたいなことを言っていたのを微かに記憶しているが、その時は納得して聞いたものの、今になってみると、どうかな?と思ってしまう。

そもそもよく言われるのが、自分が一票投じようが投じまいが、結果は変わらない、であるが、ではプロ野球オールスターの人気投票、AKBの総選挙、本当に好きなこと、応援したいと思えば、みんな投票するわけで、それも関係ないような気もする。

私が何故、衆議院選挙の投票に行く必要がないかと考えるのかと言えば、以前の記事でも少し触れたように、日本人が本当に直面している今の危機は日本の政治家ではコントロール出来ず、民間企業とか、または大学や研究所とか、さらには個人の力で乗り越えなくてはいけないことばかりだからである。よって、政治家や官僚ではなく、民間企業などに日本は未来を託すしかなくなっているのだ。

例えば、日本のサラリーマンとしてはカーボンニュートラルという問題が仕事上とても気になる。何故なら、これが日本の色んな産業に響くからである。働き方改革とか、確かに生活に少し影響はあったが、カーボンニュートラルでは日本の基幹事業である、車やインフラ関連が大ダメージを受ける。そして、先行しているルールメイクした欧州勢が一気に攻勢をかけてくる。この問題で、日本でどの政党が第一党になっても、カーボンニュートラルという考え方を見直し、本当に環境に必要な環境対策を推進し、日本の産業を守ります!と宣言するような政党はないわけで、ただ世界の流れに乗るしかない。

また、日本の市民としては、コロナが気になるが、これだって、WHOの指示に従って、ワクチンを買わされたり、またはIOCの指示に従ってオリンピック開催させられたり、日本政府として決めたのは飲食店への規制とアベノマスク、だとすると、これもまた日本政府が誰だって、ほぼ同じ結果になったんじゃないかと思わざるを得ない。

また、原油価格高騰でガソリンが高いとか、石油製品が値上がりしてる件も、今まで日本は割高価格で買っていたから今回は値段を据え置きにしてもらいます、とか、なんとか水と交換してもらうように交渉するとか、これを打開しようとする政党もない。所得を上げようというのもあるが、これだって産業界が強くなる必要があり、政府が何をやろうともなかなか難しい。

つまり、本当に困っていることについて、ほとんど解決出来ないのが、今の国政なのである。

そして、カーボンニュートラルにしろ、コロナにしろ、原油価格高騰にしろ、あとは民間でなんとかするしかないというフェーズになるから、投票に時間を使うことがバカバカしいし、家族の時間、自分の休養や趣味に使った方がいいということになる。

そうなると、投票に行くのは、政党から特定の見返りをもらえる人、何かの団体に所属して団体票のために協力している人、私のようにとりあえず、権利があるので行使しようとする人のみとならざるを得ないのではないかと思う。

よって、今回自民党単独過半数を取ったということで、普通に考えれば、国民の半数以上の信任を得たとも言えるが、8割以上は無関心、無感動という状態なのは、果たして民主主義と言えるのか疑問ではある。

みんな投票しよう!という運動があちらこちらで行われているのは承知しているが、選挙に行かせたいのであれば、見返りというか、本当に生活や、もっと言えば日本が変わるという実感が必要だが、それがないなかで単に投票を呼びかけるだけでは日本は変わらない。日本が、日本の、日本による、日本のための政治を取り戻さないと、日本には民主主義が定着しない。投票率が50%程度であることから考えれば、ある野党が本当に実現力を持って本気で取り組めば、政権奪取は可能ということだ。

大事なのは、国際協調のなかで、日本の立場を強化し、日本を守り、強くする政治である。日本国内のことは、地方自治体を中心に、地方にある程度任せ、地方ごとのより細やかな政治が必要で、国政は大局観を持ち、世界の中で日本をどう位置づけるか、そこに注力しないと、本当に日本が困っている問題は解決出来ないと考えている。