英語について

先日、後輩から仕事で使う英語について何が重要なのかという質問を受けた。

私の回答はシンプルに読み書きだと答えた。それは仕事上の契約条項や何かの重要な確認などは全て文書になり文法や単語を正しく使えることが非常に重要であるからだ。ここで簡単な文法ミスや単語の選択の誤りによって足元をすくわれる事もよくある。

逆に、聞くと話すはそこまで上手くなる必要はないと考えている。

なぜなら、英語と一言で言ってもアメリカ人が話す英語が全てではなく、カナダ人、イギリス人、オーストラリア人、インド人というネイティブ間でも違うし、東南アジアや南米、東西ヨーロッパでも、それぞれの癖があるので、上手く聞き取ったり、またはこちらの発音で上手く伝えるのは難しい。アメリカ人であっても、東南アジアの英語はすぐには理解出来ないことがあるので、アメリカ人やイギリス人のように話せることに、さほどアドバンテージはないと考えている。

しかし、読み書きは、全ての英語で共通であり、また、英語は正確に学べば、正確に伝えられる、曖昧さの少ない言語でもある。例えば、日本語やインドネシア語は、曖昧さを多く含む言語であり、とても情緒的な言語である。それに比べると、英語はよりロジカルである。もちろん、ロシア語はもっとロジカルであるが、かなり難解な文法を理解する必要があるので、第二外国語として世界に広まるには、ハードルが高い。もちろん、英語が広まったのは、大英帝国の影響が最も大きいが、このような比較的簡便であり、正確さがあることも国際的共通語として広まった要因だろうと思う。なので、このような英語の特徴からも、日本で従来からやっている受験英語のように、単語と文法をしっかり学ぶというのはとても重要に思える。

今は、話す聞くに重点を置くような英語教育に変わってきているようだが、確かに以前の受験英語は、誰も知らないような細かい言い回しや文法の盲点を探すようなある意味でクイズ大会のようなものが多かったので、意味がないと批判されていたのも事実として、本来はこの読み書きが重要という方針自体は間違ってなかったように思う。

そこで、仕事からみると、しっかり文法を学んだあとは、英作文をどんどんやって、それをしっかり添削してもらったり、読むにしてもTOEICに出てくるような文章ではなく、子ども新聞のような簡単な内容とか、平易な文学作品など、意味のある文章を読む訓練がいいと考える。特に英作文は重要で、東大の入試には毎年出ているので、受験生時代に勉強した人も多いかもしれないが、その人は英語力が飛躍的に伸びたのではないだろうか?

赤ちゃんや幼稚園生に教えるのであれば、話す聞くが重要かもしれないが、中学生や高校生なら、読み書きを学ぶ方が優先されるべきだ。ただ、大事なのはこの読み書きというのは英語だけを勉強して身につくものではなく、むしろ母語でどこまで出来るかが非常に大切で、よく帰国子女で英語がペラペラ話せるが文章が稚拙で読みにくい、または内容が薄いという人をみかけた。これは、そもそもの文章構成能力が低いことが挙げられ、仕事では使えない英語になってしまっている。

また、読み書き出来ても全然話せないという悩みも聞くが、まず本当に読み書きが出来ているのかが疑問である。そして、それが万が一出来ていた場合、次のステップはスラスラ言葉が出て来ないとか、相手の言ってることが聞き取れないという壁だろう。まず、言葉が出てこないことについては、英作文の練習が足りないのだと思う。英作文をしっかり書いていると、言葉は自然と出て来るようになる。話すと書くは違うという場合、数回実践で使ってみるといい。英作文がスラスラ書けるようになっている人なら、すぐに話せるようにもなる。聞き取れないという問題は、あえて聞き取れるようにならなくてもいいと思っている。全く分からないのは困るが、虫食いで分かる単語や文法を拾い、前後の流れや相手の表情で理解していけばいい。仕事上の会話は、相手の言ってることを100%理解する必要はなく、話し合いの結論を出し、どう進めていくのかが明確になればいいので、そこを意識する。例えば、よく教科書に出てくるようなpardon?やcould you repeat?のような聞き返しは避けたほうがいいと思っている。例えば、リモート会議でネット環境が悪かったり、周りがうるさくて聞こえないという場合は止むを得ないが、普通に会議室にいる場合には、聞いてなかったの?という誤解や、言い方によっては、はっ?何言ってるの?というニュアンスにもなり得るので、私はあまり使わない。どうしても分からない時は、do you mean...のように、あなたの言いたいことはつまり、、、みたいにして確認するか、i seeとか、i got youと分かったフリをして、じゃあ、こう進めるよ、と結論を提示してしまう。それで、いやいや、とかOKとか、反応次第で次の会話をする。いやいや、の時は、相手も分からせたいので、表現を変えたり、ゆっくり話したり工夫してくるので、そのときには必ず分かる。ここで分からない場合は、読み書きの勉強不足である。pardon?だと聞こえなかっただけに思われるので、また同じことを同じスピードで繰り返されて、また2回目も分からない、というループに入る危険性もある。語学学校ではないので、正しく相手の言っていることを理解するのではなく、どんな内容で合意したのかが重要なので、私はpardon?は滅多に使わないというか、使ったことがないかもしれない。

よって、読み書きがしっかり出来ていれば、話す聞くは出来るようになってくると考えている。しっかり読めて、しっかり書けることは仕事上でとても重要で、メール一つでも小さな文法ミスとか、スペルミスとか、社外文書になるとやっぱり恥ずかしいものだし、誤解を招いたり、損失を被ることもあるので、注意が必要だ。文書やレターは会社の顔とも言われるので、自戒も込めて、しっかり書けるようになりたい。