三重について

三重県というのは、私の祖父の出身地であり、今でも多くの親戚が住む土地であるから、思い入れがある。

そんな三重県の事がニュースになっていたので、取り上げてみる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a77d077612235309894442c0308cea8f66714c9b

三重県が、近畿地方なのか、中部地方なのか、という記事だったが、これまで曖昧だったことに驚いた。色々と事情はあったにせよ、三重県としては両方に属しているとの認識ということで、面白い状態だ。ただ、この記事だけではよく分からないので、今回は祖父の実家のある三重県の話であり、興味が湧いていたこともあって、色々調べてみたら、面白いことが分かってきた。

まずは、関西地方という言い方について。

そもそも、近畿地方という言い方よりも、関東と関西のように、大阪や京都を中心とした地域を呼ぶ時には関西地方と言っていることが多いと思い、近畿地方と何が違うのか調べてみた。すると、関西地方という言い方は比較的に新しく、諸説あるというか、定義が変わることもあるらしいが、ニ府四県(大阪府京都府和歌山県奈良県滋賀県兵庫県)が基本で、三重県は入らない。しかし、近畿地方というと、二府五県で三重県が加わるのが正式らしい。何故なら、近畿地方というのは、京都が日本の中心だった時代の、畿内という言い方から畿内周辺を近畿と呼んでいたことが起源らしいので、由緒正しき言葉なのだ。しかし、英語でkinkyというのがあまりいい意味でないことから、使われなくなり、代わりに関西という言葉が生まれ、そこからは三重県が外されるという流れなのだと理解した。もちろん、こういう話は色々な側面や情報があるので、これが全てではないと思うが、一つの仮説としてこの話は納得できたし、面白いので紹介している。

そして、中部地方とは、Wikipediaによると、日本の中央に位置し、関東地方、東北地方、関西(近畿)地方に含まれない地域を暫定的な呼び方として用いられた、とのこと。これには、新潟県、石川県、富山県福井県、長野県、山梨県静岡県、愛知県、岐阜県、が入っており、そして、三重県は?というと、相手が関西地方であれば、中部地方に入り、もし近畿地方と言ってくれば、中部地方から抜かれるという曖昧なポジション。それもそのはず、そもそも中部地方というのは、その他の地方に含まれない地域の呼び方なので、相手の出方を待つ必要がある。

こんな感じで捨てられたり、拾われたりする三重県だが、三重県をガッチリ掴んでいる言い方が東海地方。これは、愛知県を中心に、静岡県岐阜県三重県の四県のみで、相手が関西であれ、近畿であれ、東海地方という枠組みは変わらない。しかし、中部地方の中で東海地方だけがガッチリ決まっても、残りはどうなのかと言うと、北陸地方だと新潟県富山県、石川県、福井県などが入ってきて、甲信越地方というと、長野県、山梨県新潟県で、新潟県がダブルカウントになっている。しかも、調べていくと、東海地方という言い方も岐阜県の美濃までで、岐阜県の飛騨は、中部地方北陸地方に含まれていない長野県と山梨県のチームに入るようで、県が分断される分け方もあるようだ。だんだん複雑になってきたので、もう止めるが、とりあえず、日本には、殊にこの中部には、地方という考え方が多数あり、行政的、歴史的、文化的、面白いのが天気的や道路的など、何の目的かによって広い意味での中部地方から出たり入ったり、また中部地方内で分裂したり、中部地方の曖昧さから非常に怪奇な現象が起こっていて、その一番の被害者または、上手いこと都合よく利用していれば、恩恵を受けているのが三重県なのかもしれないのだ。

そして、そんなことを念頭に置きつつ、改めて三重県の地図をみる。すると、桑名市四日市市鈴鹿市から始まり、よく知られている市を繋げていくと、次に、県庁所在地の津市、牛肉の松阪市、そしてなんと言っても伊勢神宮のある伊勢市があり鳥羽市志摩市となる。もちろん、他にも、忍者の伊賀甲賀甲賀滋賀県)とかもあるが、県の中心はほぼ全て見事に愛知県側にあり、千葉県や埼玉県が東京側に色んなものが集まっている様子に似ている。変な言い方かも知れないが、三重県の地図を見ていると、何だか愛知県というか名古屋に吸収されていくようにも見える。もちろん、滋賀県奈良県和歌山県とも繋がってはいるが、そこは深い山間部でもあり、名古屋から繋がる海沿いのエリアとは少し違う。私の祖父の実家は松阪市に近い多気郡と呼ばれていた地域。この辺りはやはり名古屋との繋がりのほうが強いように思えた。

よって、文化的、天気的、道路・鉄道・船的に、あとは行政的やスポーツの区分け(東海ブロックなど)からすれば、三重県大阪府京都府とは一線を画している。しかし、畿内という歴史から見ると、伊勢神宮がある分、三重県を取り込んでおきたいのも分かるし、もう一つ地理的には紀伊半島で一体と見るとグルっと京都大阪グループの一員と言えなくもない。

そして、結論は何かと言えば、記事にあった三重県の方が両方に属していると言っていた事が、ここまで調べてよく分かったということである。こんな状態ではどちらかに決めることは難しい。