市民プールについて

小さな子どもを持つ親にとって、週末をどう過ごすかというのは、一つの課題となる。もちろん、お金をかければ、旅行に行くとか、アミューズメントパークに行くとか、外食するとか、色々あるが、そうそうそんなことばかりは出来ないので、市民プールは有難い。

何故、市民プールが有難いのかと言えば、まずプールであるというのが有難い。真夏だったり、真冬だったり、公園で遊ばせるのが大変な季節は、家にこもりがちだが、屋内プールなら行ける。また、プールは単に遊ぶだけではなく、泳ぎを練習することで体力も使う(よく夜寝られる)し、体幹を鍛えるのにもいいと聞くので、遊びと成長の二つの要素を兼ね備えている。その他にも、プールの効能は多く、身体の温度調整機能が高まるとか、呼吸器が強くなるとか、とにかく良い事尽くめだ。

しかし、それだけ効果があるのにも関わらず、もう一つ嬉しいのが、安いことである。プールというのは色々維持も大変だとは思うのだが、未就学児は無料、小中学生も100円、大人も数百円で、何時間でもいられる。例えば、映画を観ると大人二人と子ども一人で、さらにポップコーンとドリンクなどなども合わせると、一万円コースだったりするし、昔の記事にも登場したディズニーランドなんかはプール100回分の出費よりも高いかもしれない(そして、そのお金もアメリカに流れてしまう)。そもそも全くの別物を比較しても何の意味もないとの指摘もあるが、小さな子どもを持つ親の週末の過ごし方という大きな括りの中では比較対象になり得ると思っている。

そして、最後にあまり混んでいないというのもコロナ禍では有難い。こんないい場所ではあるが意外と空いている。何故かと考えてみると、これが公共事業だからかなぁと思った。例えば、民間のジムなどはあらゆる場所に広告があったり、体験の案内や勧誘があるが、これまで市民プールの存在はなかなか目に入らなかった。実は、私も最近行き始めたばかりで、昨年末に市民プールにある会議スペースで、とある集会があり、それに参加するまでは、市の広報などには載っていて名前はおぼろげながら記憶にあったものの、どこにあるとか、どんな設備で何が出来るのか、ほとんど知らなかったのだ。公共事業なので、使用する側としては、値段の面などかなり恵まれてる環境ではあるが、これを大々的に宣伝してしまえば、希望者が殺到して入れなかった市民からのクレームが来てしまう。だからといって、規模を拡大することも出来ないので、あまり大々的にPRすることは出来ないのではないかと考えた。民間であれば希望者殺到は嬉しい悲鳴で、二号店、三号店と展開していけるが、公共事業はそうはいかない。増やせば増やす程、市の負担が増えるだけとなる。しかし、全くPRせずに誰も利用してない施設となってしまうと、これまた問題なので、ある程度の利用はして欲しい。そのためか、リピーターが大事と考え、ポイントカードやら、回数券などがあり、固定客で回そうとする対策が講じられている。

また、あまり混んでいないもう一つの理由、それはプールが衛生的ではないという事実があり、潔癖社会で忌み嫌われ始めているのではないかと危惧している。プールの水は交換されているのかと言えばほとんど交換されていない。多分、年に一回交換というのが一般的なのかもしれない。消毒や異物除去などはもちろんもっと頻繁に行われているだろうが、尿、皮脂、唾液、毛などそういうものが水に含まれていることは当然のことではある。そんな水を飲んでしまうこともあるし、もちろん衛生的にキレイではないことは確かだが、むしろこの抗菌社会(コロナでより一層激しくなった潔癖社会)での救世主かもしれないのがこのプールなのだ。よく小さい頃にフローリングだけで過ごした子どもと、畳で過ごした子どもでは、畳の生活をした子どもの方が免疫力が高いと言われるが、それに似た効果がプールでも期待出来るのかもしれない。だからといって、故意にプールの水を飲もうとする人はいないとは思うが、汚いということで敬遠する必要はないのではないかと考えている。それこそ、一部の海水浴場よりはキレイなはずだから。

色々と書いてはみたが、言いたいことは市民プールは子育て世代には有り難く、これからも利用していきたいということと、利用者が少ない理由も上記の二つとも分からなくもないが、自分もしては市の取り組みにはちゃんとアンテナを張っておくべきということと、過度な潔癖社会、抗菌社会は逆に大きなリスクを生んでいるかもしれないということである。特に、コロナを経験した社会はどんどん抗菌社会へと舵を切るだろうから。