ここに来て突然、防衛費を上げるという話になってきた。
思い返せば、安倍さんの事件からここまで一本の道筋があったかのような気がする。岸田さんは総裁選の時に、防衛費を上げるなんて言っていたっけな?これまでの選挙で、防衛費を上げるって公約に掲げて当選した人はいたかな?なんて考えてみる。
もちろん、この話が出たり消えたりしていたのは知ってるが、これをやって欲しいから自民党に投票した人がいるのかなと思っただけである。そもそも、世界的に見て、日本の防衛費(他国は、軍事費)は、戦争しない、武器を保持しないと憲法に書かれている国であることを疑ってしまうくらい高い。ドイツやイギリスとほぼ同等と言えば分かりやすいかもしれないが、戦争放棄しているのに、とにかくすごい額である。
翻って国民の目線から見ると、年金が減額される、物価が上がる、給料上がらない、電気代上がる、などなどとにかく生活は苦しくなる一方なのに、防衛費のために増税?驚きしかないのは当然のことだろう。北朝鮮がミサイルを撃ってるとか(ここ最近頻繁になってきたが、)政府はそれを理由にしたいのかもしれないが、今こそ、減税して国民の生活を楽にしてあげるのが政府の役割では?と誰もが思うんじゃないかな、ということが岸田さんには分からないということなのか。
さらに円安なら輸出企業が有利なので、さらに支援して今まで勝てなかった分野の企業を海外で勝たせるようにしたり出来ないのかなと疑問に思う。インバウンドばかり強調されてしまうが、観光って潤う場所が決まってしまうので、それだけではやっぱり日本全体の底上げにはならなくて、輸出をやる製造業が元気になると、そのサプライチェーン全体に広がるので、効果は大きい。観光で儲けるって、お土産を買わせたりするけど、それがそもそもmade in chinaだったりして、金は天下の回りものってことですかね。
防衛費を増やしても、アメリカのお下がり武器をたくさん買わされるだけで、日本の産業にはほとんど寄与しないので、ただただ国民の生活が苦しくなるだけである。つまり、防衛費は国民を守るためのお金のはずが、苦しめる根源になっているというのが、現状である。防衛費のための増税で命を失う人も出てくるだろう。
よって、防衛費でアメリカから買っている武器や戦闘機の代わりに、水素分野の研究や水道事業の支援(民間に売り渡さないため)、天然資源の購入、災害復旧事業などの方が国民の生活や未来にとってはるかに重要な気がする。
確かに、ロシアのウクライナ侵攻で、ロシアは平和を乱している!と声高に戦争反対とか、平和が一番とか、そんなことを言いながら武器を大量にウクライナに送っているアメリカが疲弊してきたのは分かるし、その財源を日本から持ってきたいというのもよく分かるが、アメリカの政策の失敗のつけを日本が払い続けるのはもうやめてもらいたいと思うのだ。
ただ、こんなことよりも、もっと嫌な事、それは以前の記事にも書いた戦争の足音が聞こえることである。
防衛費を上げて、武器や人材が整えば、それをずっとそのまま維持するのにもお金がかかるので、それなら使おう、なんか理由をつけて、みたいな話にならないか不安なのである。
戦争は何度も書くが、一部の人が莫大な利益を上げる一方で、国のためとか、未来のためとか、正義のためとか、そんな言葉に誤魔化された罪のない国民たちの命、生活、財産が全て奪われるというのが事実である。国防のために戦おう!といえばかっこいいし、拒否すれば非国民のレッテルを貼られるのも分かるが、その言葉の裏で、自分の命や生活は守り、大義名分の下で国民だけ殺されている事実に気がつけるかどうかである。そして、それが戦争である。気がついた人は邪魔者になり、排除されてしまう。だから、みんな気が付かないフリをするか、そのなかで上手く立ち回るか、それぞれみんな不幸な選択を迫られる。
私は防衛費を上げることは反対だが、それはアメリカへの資金流出とか、他の事業ができないかとか、もちろんそれもあるが、一番は何と言っても戦争に近づいていくのが嫌なのである。
戦わずして、国を守れるのか?とよく言うが、戦って国を守れるのか?日本は大東亜戦争で、日本を守れたのか?負けたからこうなったのか?勝っても結局、多くの戦死者を出し、相手国の人々も殺し、領土も文化も生活も、壊し壊されていただろう。逆に、話し合いや金銭でのやり取りはいかなる場面でもたいてい上手く話がまとまっている。戦うよりよっぽど効率的だと思う。
よく中国が領土拡大を狙ってるとか報道されるが、そんなことではなく、資源を狙っているだけだと思う。資源なら分け合えばいい。戦争で奪い合っても絶対解決しない。殺し合えば必ず殺された家族まで怨念が残り、憎しみの連鎖が続くだけなのだ。そんな憎しみを自分の子どもや孫の世代まで残していきたくはない。
我々は防衛費が上がるその次のステップを見据えなくてはならないし、マスコミはそんなことは報道しないので、自分で考えるしかない。