異次元の少子化対策 part2

前回、異次元の少子化対策について、半分批判を書いて、半分アイデアを書いてみた。

今度は、もう少し違う視点で書いてみたい。それは、少子化が問題か否かとか、子育て支援のあるべき姿とか、そんなことはさておき、そもそも少子化の原因は何か、そしてそれを是正するにはどうすればいいのか?という点にだけ絞って書いてみたい。

https://youtu.be/eLpwNP69FS4

このリンクをつけてしまうとそれまでかもしれないが、今の制度や風習、またはモラルなどを維持しながら、生まれてくる子どもを増やしたい、ということを考えるなら、結局、結婚する人が増えること、そしてなるべく若くして結婚すること、が手っ取り早いのは明らかである。

まずは、結婚する人を増やすにはどうすればいいのか。一昔前であれば、かなり周囲からのプレッシャーや親が無理矢理結婚をさせたり、本人達の気持ちを二の次にした形での結婚も多数あり、成婚率は高かったかもしれないが、幸せな結婚だったのかは疑問が残るので、一昔前のやり方に戻すというのは考えにくい。

よって、以前に書いた、恋愛と結婚というタイトルのブログが、未だに私の答えである。

次に今度は晩婚化をどう是正するか、である。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f2829ac79684007b4ddb4575b6da7ce9e70a4bd2

これも、山口真由さんの記事を貼り付けてしまうが、とても興味深いので、読んでみてもらいたい。

以下抜粋。

「私はもう少し早くに、自分がキャリアとライフをどう両立させるつもりなのか考えておけばよかったなと思っているんです。若い頃は転職や留学など、そのときどきで自分のキャリアを確立するのに精一杯で、どうしてもライフ──とくに子どもを持つことが後回しになりました。でも、同期の男性たちはそういうことをあまり考えずに仕事に邁進している。男女平等といわれて育ち、学生時代は自分が男性に劣っているなんて感じたことは一度もなかったのに、生殖年齢については圧倒的な差がある……。そういうことを女性は20代30代で認識して、将来を考えておくべきだと思います。 さらに、私は最初こそ『卵子凍結によって人生の選択が自分の意のままになる』と楽観視していたけれど、実際に経験してみると『これはこれでキツイな』と思うところがありました。だからこそ、そういう自分の失敗談を後輩の女性たちに伝えておきたいと思ったんです。卵子凍結をおすすめするつもりはありませんが、将来子どもを持ちたいと考えているならAMH値くらいは測っておいたほうがいいよ、って」

抜粋終わり。

多分、今の医学だったり、人間の身体が劇的に進化しない限り、男女ともに妊娠のしやすさというのは、やはり若い時期、特に20代であることは抗えないのかもしれないが、それを大々的に言うことは問題視されているなかで、山口真由さんは堂々と自身の経験を踏まえ発信されていた。ただ、考えないといけないのが、高齢出産は妊娠や出産だけに障壁があるわけではなく、子育てや介護にも大きな影響が出やすいとされていることも理解する必要がある。以前、とある地域に遊びに行った時に、ここではみんな40後半でおじいちゃんだよ、と言われてびっくりしたのを覚えてる。まだみんな若くて、健康そのものでおじいちゃん、またはおばあちゃんになるということは、当然孫の面倒はみれるし、70代でひ孫もみれるという幸せな人生になる。逆に親子二代で高齢出産をすると、初孫が80代というのも珍しい話ではなく、40代で子育てと親の介護の両方をやることになる状況も考えられる。いくら今の80代が元気とは言え、40代のおじいちゃんとは比較にならないだろう。

では、晩婚化の原因は何だろうか?そして、国はどんな支援をしていけばいいのだろうか?

まず、考えるのは結婚する相手がいて、気持ちとしてはいつでも結婚出来るのに踏み出せないケースに絞って、何故踏み出せないのか、考えてみたい。

一番の理由は経済力の不安であろう。例えば、浪人せずに大学に入り、そのまま就職すると23歳から社会人であるが、その段階ではまだ家族を養える給料をもらえてないし、貯金なんてない人が多いので、結婚資金、新婚旅行、ましてや子育て、さらに新居の費用などなど、とてもお金が足りない。しばらく社会人として働き、お金を貯めること、そしてそれなりの収入を確保するまでは結婚に踏み切れないという状況である。

次はキャリアの問題である。結婚したり、さらに子どもが出来ると、当然仕事に費やせる時間は減ってしまう。一昔前までは、男女でこの状況は違って、男であれば子育ては妻に任せて今まで通り仕事に精を出すなんてことも出来たのかもしれないが、今は男女ともに育休制度があり、性別に関わらず子育て期間中には他の人と同じようには働けない。となると、必然的にキャリア形成、特に社会人になりたての5年くらいの大事な時期に結婚に踏み切れないというのは理解出来る。

つまり、お金とキャリアがクリアされれば、結婚出来る相手がいる、という前提であれば結婚を踏み止まることなく、早期に結婚出来るカップルが増えるのではないだろうか?そのためにはどうしたらいいのか?答えは簡単、就職を早めればいいのである。

私は社会人10年以上やってきて思うことは、多くの職業、特に一般的なサラリーマン、公務員などなど、大学または大学院での勉強が必須である職業というのは少ない気がしている。もちろん、大学が完全に不要かと言えばそうではないのは分かっているが、高校までの知識で十分、社会人として活躍できると確信しているし、逆に大学で学んだことが社会で活かされてるケースはあまり多くないとも感じている。よく研究者は大学院まで言って企業の研究開発に就職した方がいいと言われるが、それにしても、高卒で企業に入り、そこで仕事を通じて学びながら一人前になる方が近道である。企業は大学ほど教育出来ないとも言われるが、私の印象では、大学の教授より、企業の上司の方が説明は分かりやすいし、教え方や導き方は丁寧だと感じている。

文学部であったり、理学部であったり、そこで学ぶことはとても専門的過ぎて、そもそも小学校で習うことですら大人になってからその知識は必要なかったとか言う人もいるくらいなので、大学の勉強なんて尚更なのである。もちろん、医者や弁護士、教師や学者などの職業を目指す場合は別だとは思うが、社長とか、クリエーターとか、商社マン、とにかくほとんどの職業はわざわざ大学に行く必要はない。

しかしながら、例えば東大や早慶などの一流大学の出身者が他の大学の出身者よりも仕事出来ないことがあるのか、ということについてはNOであると思う。やはり、一流大学出身という肩書のある人は仕事もよく出来ることはほぼ間違いない。しかし、ここで言いたいことはそういう肩書を持てる人というのはそもそも能力が高く、それは大学の4年間または大学院も入れた6年間で培われたものというより、元々の能力であると思っており、それであれば、大学ではなく、企業で、または社会で仕事をしながらスキルアップした方が効率が良いと感じる。それこそ、現代においては終身雇用は廃れてきており、転職が一般的であることを考えれば、高い能力のある人がどんどん流動的に適材適所へ動けることになれば、日本経済全体としても良いし、早くから働くことで労働人口も増えることになる。

また、早く就職することのもう一つのメリットは親の学費負担が減ることである。大学の学費は高額であり、年金問題を抱える親世代(団塊ベビー以下)は、戦々恐々としている。しかし、高校までは無料化の流れになっているので、高卒で働いてくれることになれば、老後の心配がかなり軽減される。ともすれば、新しく子どもを計画している家族にとっても、教育費の心配がなくなるので、産みやすくもなる。

よって、異次元の少子化対策というのであれば、社会として政府主導で、大学へ行くのはごく限られた職業を目指す人のみで、ほとんどの企業は高卒で雇うように促すというのはどうだろうか。社会に出て思うことは、社会人の価値は、学歴ではなく、職歴であり、学生時代にどこで何を学んだかというのは、その人も何となくのポテンシャルが伝わる程度であり、実際社会人として、何をやってきたのか、これが本当のスキルを測る指標になる。

また、キャリア形成も18歳から働けば5年目を25歳以下で迎えられ、若くして、十分なキャリア形成が可能になる。

次に、若くして結婚すると、難しいのが家の問題である。就職してすぐに結婚したとしても、今度は住む場所には困ってしまう。一番いいのは、親との同居であるが、今はそんな大きな二世帯住宅に親が住んでいるというケースもあまりなく、また子どもが上京して家庭を持つことも多いので、なかなか難しい。よって、賃貸か購入かという話にもなるが、どちらにしても経済的な負担は避けられない。

また、今は少子高齢化が進み、日本の人口は減少傾向にある。よって、空き家はどんどん増えていることになるが、何故か新築マンションやら、新築一戸建てもどんどん建設されている。これは日本人の新築好きからくる現象なのかもしれないし、政府の思惑なのかもしれないが、どっちにしろ、中古物件として出回ることより、空き家として放置されがちなのである。

このような空き家は大抵、処理に困り、地域の治安や外観にも悪影響があったりもする。よって、政府が二束三文で買い取り、または持ち主不明なら強権発動で没収してしまい、新婚夫婦にプレゼントするというのはどうだろうか。

システムとしては、日本全国の空き家を政府が買い取りしたり、没収したりして、大きなデータベースを作り、例えば男女のどちらかが25歳以下であれば、その空き家から好きなものを選んで、タダでもらえるようにする。また、もらったものなので、もちろんリフォームやら改造は自由だし、その後売却も可能だが、売却した場合、例えそれがまだ25歳以下の新婚であってももう一度空き家をもらうことは出来ない。

このシステムなら若くして結婚しても、家の心配はなくなるので、またハードルが下がるし、同時に日本の空き家問題の解決にも繋がる。ただ、建築業界や不動産業界からは反発があるかもしれない。しかし、空き家を渡すことでまず家の良さに気が付き、家計に余裕が出た段階で新築物件に憧れが出てくるということも考えられるので、むしろ今より活況になるのでは?と考えている。また、これにより結婚を選択するカップルが増えれば、当然子どもも増えてくるはずなので、人口増加で建設業界、不動産業界は沸くはずなので、反発は最小限に留まると考えている。

さらに、空き家は東京など首都圏にも多いが、地方都市にもたくさんある。今は空き家バンクだとか、地方への移住を促進するための補助付き空き家販売なども行われているので、そのような既存のシステムと政府主導での空き家プレゼントが互いに協力し合えば、地方活性化にも繋がっていくのではないかと考えている。

よって、異次元の少子化対策として、中卒、高卒で社会に出ることを推奨し、若い新婚カップルには、お好きな空き家をプレゼントするという対策はどうだろうか?