ロシアから見た世界について

ウクライナとの戦争はなかなか終わらない。

その影響で、ロシアは残虐な国として、日々ニュースになり、我々はどうしてもそう思い込んでしまうが、自分の身をロシアに置いて考えてみると、ちょっと違う世界が見えてくると思うので、ご招待したい。

以前にも書いたかもしれないが、ロシアは、ご近所さんには恵まれていないなぁと直感的に思ってしまう。まずは南東側にモンゴル。ロシアは超大国で、ナポレオンとヒトラーに勝った国として有名で、戦争に負けて領土を侵されたことなんて無いと思われるかもしれないが、モンゴルにはひどくやられた歴史がある。そして、南にはイスラム教国、西側は言わずもがな、NATO諸国が睨みをきかせている。そして、北は氷の覆う海である。その周辺で言うと、盟友というのが同じ社会主義のルーツを持つ中国だが、実はあまり信用出来ない。日本の報道では、対米路線のロシアと中国は盟友のように報道されるが、ロシアは中国のしたたかさを十分に理解しており、欧米の経済制裁下のロシアの足元を見た不平等貿易を今は甘んじて受けているものの、今後どうなるかは不透明である。両国は深刻な領土問題と貿易の問題も抱えている。欧米という共通の敵を持つという関係性のみが両国を近づけているだけで、本当の意味での信頼関係があるかどうか。

よって、ロシアは超大国でどっしりと構えているように見えて、肩身狭く生きている国なのである。そもそも、今はロシアと一色で塗られている地図上の領土の中にも、特にウラル山脈から東側、つまりシベリアにおいては、ロシアからの独立を狙う地域すらあるくらい、安定しないのがロシアなのだ。

その特徴としては、すこぶる外交が下手な国、だと私は思っている。ニュースではロシアはフィクサーというか、裏で色々世界を操っているようにも思える報道があったりもするが、それはロシアが厚いベールに包まれて、何となく内側が見えないための恐怖心からくる憶測に過ぎず、どちらかと言うと、私の見解としては表舞台での活動がメインであるようにも見える。

何故なら、ロシアの外交というのは、ジャイアン(武力)とスネ夫(資源)でしか基本的には行ってないことがわかる。資源がない日本からすると、オイルの値段上げるとか、パイプライン止めるとか、そんな外交出来たら楽だなとか、思うかもしれないが、何かあるとパイプラインを止めるよと言ってくる国と仲良くしたいかという、やっぱりそんな国は信用出来ないなと思ってしまう。あとは、今回のウクライナのように、何かあると攻め込むよ、というのも外交カードだし、あとは核爆弾使うよ、とか、いわゆるジャイアン的な外交である。ロシアのスパイ活動など、色んな報道はあるが、それはほとんど実を結んでいないというか、結局、武力と資源でしか外交が出来ていない国なのだと思う。

そして、余談になるが、日本は今のところ、外交がかなり上手くいってる国であり、多くの観光客も日本に来てくれているし、日本のパスポートは世界最強とも言われてることからも、世界中まんべんなく上手く付き合っていることがわかる。こういう国は外交が上手い国ということであり、これからも続けてほしい。外交とは、いかに自国を守り、豊かにし、さらに言えば他の国の平和にも貢献出来るかということだと思うが、そのためには、国際的なパワーバランスの中で、深刻な敵を作らず、上手くやることが肝要なので、今の日本の外交はアメリカからの過度な圧力を除けば、決して悪い状態ではないと思っているし、少なくても、ロシアよりははるかにいい状態である。

さて、話を戻すと、ロシアの外交は常に、文句言うなら殴るよ、とか、良いものあげないよ、とか、そんな言い方は悪いが野蛮な方法でしか外交が出来てないので、裏で画策なんて、ほとんど出来てないんじゃないかと思う。しかし、そんな方法でしか外交が出来てなくても、今まではソビエト連邦という固い絆があったし、これはもちろん武力や資源という外交カードもあったが、そもそもイデオロギーもあったため、ロシアにしては最初で最後?かもしれない気持ちの入った統一だったのかもしれない。しかし、やはりそれもだんだん権威的になってきたというのもあるが、冷戦での敗北により、イデオロギーが崩壊、ソビエト連邦は解散に追い込まれると、次々に色んな国がロシアから離れていった。

そして、今プーチン大統領がやろうとしているのが、かつての同胞へのアプローチである。ロシアに比べればはるかに小さい国ばかりだが、地政学上、彼らが親露派かどうかは極めて重要になってくる。何故なら、ロシアはご近所さんに恵まれていないのだ。

そう考えてみると、日本という国はロシアにとってみると、友達になりたくて仕方ない国なのではないか?と思う。そもそも日本は世界の人気者であり、科学技術や芸術分野、さらにスポーツにおいても、ロシアとの親和性がある。ただ、アメリカがネックである。日本には米軍基地があり、近寄り難い。また資源もヨーロッパ程、日本はロシアに依存してないので、ロシアの得意な外交は日本にはなかなか使えない。ロシアは、というかプーチン大統領は、ものすごく不器用である。

プーチン大統領と日本を繋げたものは柔道だった。プーチン大統領は柔道とその精神をよく理解し、そこから日本を見ていた。実は大の日本ファンだったはずである。それが今や、ウクライナ侵攻で米国に引きずられる形で日本が離れていってしまい、とても残念に思っていることだろう。

しかし、やはり仲間は必要なので、反米国のなかからパートナーを選ぼうとすると、本来、中東諸国を狙っていきたいところだが、最近、米国にもいい顔をするようになったサウジアラビアを始めとするスンニ派国は難しい。よって、イランへとアプローチをする。イランはロシアというかつての偉大な国というイメージからロシアへの尊敬や敬意があり、友情は芽生えやすいが、イラン自体がとにかく評判が悪い。経済効果もどこまであるか、それも疑問だったりもする。

そして、手を伸ばしていくのは、アフリカ大陸。ここは、欧米に対する潜在的な敵対心もあり、かつ内戦が絶えないこともあり、軍事支援をとても必要としていることから、ロシアの介入を快く受け入れてくれたりもする。よって、ウクライナ侵攻でも、ロシアを批判する国よりも、支持する国が多かったのも、ここアフリカである。しかし、アフリカにはすでに中国が大きな存在感を示していることと、ロシアとして、製造業やインフラなどの基幹事業になかなか手を出せないでいることから、深い繋がりにはなかなかなれないでいる。

さらに、進んで大西洋を超えると、アメリカ大陸。北米は当然、難しいのは分かっている。よって、狙いは中南米。しかし、中南米は資源国。ロシアの得意な資源貿易はなかなか難しい。また、アフリカほど内戦などの問題も少ない。そして、そもそも地理的にアメリカのお膝元であることと、ロシアからはかなりの距離があることからも、関係の構築は難しい。例えば、日本から見ると、中南米というのは日系人が多かったり、そもそも親日国であったり、アメリカに近いことが逆に近づきやすかったりして、地理的には不利な中南米とも友好関係を築けやすいので、中南米と仲良くなれない、というのは違和感があるかもしれないが、それがロシアから見た視点なのである。

東南アジアではロシアはほとんど嫌われていないように思う。特にたくさんのロシア人観光客を迎え入れてるタイや同じ社会主義国家のベトナムは親露ではあると思うが、やっぱり隣国の友人としては、少し遠いということと、対等に付き合うという間柄にはならなそうだとも思っている。

インドは中国と同様、したたかさがあり、モディさんが首相を続けている間は対立はないが、インドに上手く使われるという関係性にはなりそうで、友人というわけではない。

 

私がもし総理大臣または総理大臣に何か進言出来るような立場であるなら、ロシアとの外交、特にプーチン氏との外交をするなら、上手く出来る方法があると思っている。それは、武力的でもなく、資源や金銭に何か頼るのではなく、単にロシアと日本は友達であるということを高らかに宣言するだけなのである。まず、ロシアからすれば、日本との軍事同盟なんかは望んでもないし、日本に資源を売りたいというのはもちろんあっても、資源の売り先は他にもたくさんあるわけで、あえて日本に買ってもらわなくてもいいのだ。だから、それは外交カードにはならず、友達になろうだけでいいのだ。

こう書くと、左翼思想だとか、戦争肯定派だとか、スパイやら陰謀論だとか、そういうレッテルを貼られかねないのだが、全くそういうつもりはなく、ロシアが最も求めているのもの友人であるということを理解し、ロシアのことを裏切らない友人でい続けることを約束することが何よりも重要だと思うのだ。

例えば友達になったら、北方領土はどうする?とか、ロシアが攻めてきたらどうする?と聞かれるかもしれないが、同盟国といいながら軍事基地を大量に日本国内に置き、多額の思いやり予算を払い、武器を買わされているアメリカに対しては無頓着であるわけだから、ロシアとの問題だって、実はそこまで気にすることはなく、北方領土問題はそこに住んでいた人々の辛い気持ちは痛いほどわかるとは言え、友達と宣言していない今もなお返還されないわけだから、そこの状況は変わらないとしても、問題はないし、友達になった方が返還される可能性は上がると思っている。

また、何故日本がロシアと友達になれるか、それはお互いに高い文化レベルを持っていることなのだ。アメリカ主導の世界だと、国の価値は軍事力、経済力、資源、穀物という物理的な、物欲的な、そんなものばかりで国の価値を測っている。ロシア人にしても、日本人にしても、大事にしているものは、歴史、文化、芸術、心の豊かさなどの目に見えないものだったりする。ロシア人にそれを感じない人も多いとは思うが、それは隣人に恵まれないために、色々と苦労した結果そうなっているだけで、ロシアの中には素晴らしい文化や芸術がたくさん残っており、そこにもっと日本が光を当てて、友人としてお互いに披露しあったり、称え合ったりすることが出来たら素晴らしい。

どうも国同士が友好関係を築くというと、アメリカの理論で、貿易を活発化しようとか、軍事同盟を結ぼうとか、そんなことばかりで、私からすると、だから対立が起きるんだろと思ってしまう。それはまだアメリカが建国から数百年しか経っておらず、人と人、国と国がどうやったら上手く付き合えるのかが分かっていないのだと思っている。ただ、ロシアはそうではない。ちゃんとした歴史と文化のある国なので、友人になれるのである。

 

だいぶ長くなってしまったが、まとめると、ロシアは隣国に友人がいないため、友人が欲しいが、外交が下手で敵ばかり作ってしまう。友好的な国ももちろんあるが、距離の問題、文化の問題など、なかなか友人になってくれそうな国は少ない。

しかし、日本は距離的にも、文化的にも、ロシアと仲良くなれる要素がたくさんある。だから、日本はロシアと仲良くなれるはずで、アメリカからの圧力はあるかもしれないが、日本とロシアの関係は軍事や経済ではないので、アメリカもそこまで言ってこない気がするのと、そもそも理解出来ないかもしれないし、問題はないと思う。

ロシアから見た世界、それはロシアの厳しい外交政策の中で、きっと日本を特別視しているのでないか?今は、アメリカに抱えられてしまってはいるが、なんとかならないか、模索してるのではないか?と思っている。