ついに、昨夜、スワローズがセ界一となった!
思い返してみれば、シーズンが始まった頃、ほとんどの解説員は2年連続で最下位だったスワローズの今シーズンの予想順位はBクラスまたは最下位だったとの印象だったので、調べてみた。すると、150人近くいる野球解説員のうち、スワローズの優勝を予想した人は、なんとゼロ。解説員の誰もが優勝を予想出来なかったというから、普段野球を見ない人も今回のスワローズの優勝がどれだけ衝撃的だったかわかるだろう。さらに、半分以上(6割)が最下位と予想し、5位との予想(3割)と合わせると、ほぼ9割が5位、または6位と予想していたから驚きだ。
ここまで解説員たちを裏切った今回のスワローズ優勝ではあるが、一番の裏切りは何だったのか?それは、いつの間にか、投手王国になっていたことだろう。特に後半戦にそれが注目されるようになり、高津監督の無理をさせないローテーションにより、後半戦にもバテてない投手陣の奮起が解説員の予想を大きく裏切ったのではないかと思っている。また、清水昇とマクガフは去年から頭角を表していたが、石山泰稚を復活させたのは高津監督、または伊藤智仁コーチの手腕だったのではないかと思っている。また、勝利の女神なのか、神セブンの板野友美さんと結婚し、第一子が生まれた高橋奎二のブレイクぶりもまた凄かった。そして、年の差20歳以上の先発コンビ石川雅規と奥川恭伸。ベテランと若手、歴史と未来。とても楽しみである。
ただ、投手の奮起の裏には、女房役とも言われる捕手の活躍が必要不可欠になる。去年まではなかなか捕手が固定されなかったが、今年は中村悠平がほとんどの試合でマスクをかぶり、さらに打撃でも本当にいいところで打っていて、下位打線のクリーンナップという印象があった。
今年のスワローズの下位打線と言えば、去年は一番から村上宗隆までで点が取れないと、それ以降には期待出来ないという雰囲気があったが、今年は、オスナ、中村悠平、サンタナと続くので、今年ブレイクの一番塩見泰隆、二番レジェンド青木宣親、三番ミスタースワローズ山田哲人、不動の四番村上宗隆から、全く途切れることのない打線が生まれた。
そして、もう一人のレジェンドは天才川端慎吾。代打成績3割を超え、代打としての安打数も歴代トップとのこと。ただ、ファンとして今年一年を振り返ると、彼の打率は8割、または9割という印象を受けた。本当に出る度に打っている感じで、凡退のイメージがほとんどない。
まとめると、シーズン開始前の解説員たちを裏切ったのは、投手陣の覚醒、下位打線の充実、そして天才川端慎吾の活躍であり、期待通りだったのが、上位打線の特に山田哲人と村上宗隆。特に、山田哲人にいたっては、打撃だけではなく、キャプテンとしても、そして守備面でも、チームを救ってきた。
こんな感じで、スワローズファンはなかなかお目にかかることのない優勝を喜んでいるが、ネット上では、盛り上がらない優勝だとか、経済効果の少ない優勝だとか、心無い言葉も飛び交うのもスワローズの宿命。以前は広島、横浜も同じようなポジションだった気もするが、最近はどちらも超人気球団になってしまったので、スワローズはファン数からすると、どうしても見劣りをしてしまう。しかし、スワローズファンは"岡田のオヤジ"を決して忘れないし、どんなにファンが少なかろうが、スワローズが弱かろうが、必死にスワローズを応援してきた彼の魂はまだスワローズファンの中に生きている。だから、盛り上がらない優勝だと言われても、胸を張っていればいい。岡田正泰さんを知らない人のために、以下リンクをつける。
https://www.spocafe.jp/spo-map/npb/swallows/3132/
あまり応援団が話題になる球団も少ないかもしれないが、スワローズは弱かったし、人気もなかった、華もなかった。そんな球団を応援し続けた、そしてさらに色んな応援の元祖ともなった岡田正泰さんは今でもスワローズファンの心の支えになっている。この記事を書くにあたって、再度岡田さんのことを調べてみたら、すでに亡くなってから20年経つというから驚きである。きっと天国からも昨晩の優勝を観ていてくれたと思っている。
そしてこのあとは、CSと日本シリーズが待っているが、それは、私はおまけだと思っている。最大の目標であるセ界制覇をした喜びを、もう少し噛み締めておきたい。