トリクルダウンについて

恥ずかしながら、この言葉を最近、このブログの読者から教えてもらって知り、それから色々考えてみた。

そもそも、この用語の意味は、簡単に書くと、大企業が儲かれば、もしくは富裕層が富めば、いつか低所得者層にも恩恵が波及するという考え方。一見、正しいようにも思えるが、考えてみると、どうもそうではないことが分かってきた。

まず、大企業が儲かっても、社員の給料はあまり変わらない。一度、給料を上げると、下げるのに苦労するため、いくら業績が良くても上げない。やるとすれば、ボーナスを多少色をつけるくらいであるが、それもそんなに変えないので、ほとんど社員の所得は上がらない。しかし、儲かった利益はどこかに残るわけで、それが今よく言われている内部留保になったり、または株主に還元される。株主が国内にいればいいが、現在、海外に多くの株主を抱えるのが主流になってきているので、それもまた国内の経済に寄与しない。大企業が潰れてしまうとそのサプライチェーンも含めて、大量の失業者が出てしまうので大変だが、儲かっても意味がないという不思議な構造になっている。

また、富裕層が富めば、というところもまた問題で、日本の富裕層の多くは日本で稼いでいて、外国からお金を引っ張ってきている人は少ない。よって、彼らが富むことは、同じ日本での競争者を蹴落としているか、或いは、労働者の搾取がある。さらに、この富んだ人々の消費行動は、銀座や六本木などの高級レストランで食事をし、家賃の高い家に住み、高級エステなどに通うなど、金持ち同士の中でお金が回り、さらに、外車を乗り回し、外国の高級ブランドに身を包み、VISAやアメックスで支払いをして、海外旅行や海外移住ばかり考えて、国内産業には寄与せず、海外にお金が流出するのみである。

よって、日本ではトリクルダウンは起こらないのではないかと考えた。

私が、万が一大金持ちになれば、迷わず、日本の、日本人の生活向上のために、消費をすると思うが、日本の多くの富裕層はそうではない。苦労して金持ちになった人が少ないからかもしれないが、とても残念である。今の社会では、お金というのは権力そのものであり、スパイダーマンの有名なセリフ『With great power comes great responsibility』『大いなる力は大いなる責任が伴う』というのは、まさにお金持ちにもあてはまり、どう自分の住む日本、儲けさせてもらった日本を良く出来るかというのを考えれば、お金持ちだけでお金が回ったり、海外への流出がなくなり、トリクルダウンが起こるのだろうが。

 

では、具体的に何をするのか。

まず、日本人の生活から言えば、喫緊の課題は、食の安全である。輸入品が危ないというのは何となく浸透しているように思うが、国産でもコスト競争力を高めるために、農薬の規制が緩かったり、または劣悪な環境で飼育される養豚場や養鶏場の問題もある。また、加工品もそうで、子どもが喜んで食べるポテトチップスやら、駄菓子のなかにも着色料などの危険物質が入っていたり、ファーストフードやコンビニ弁当などなど消費者が注意しないといけないものが多過ぎる。もし、金持ちになったら、本当に安全かつ健康にいいものを購入するだけでなく、その製造なども支援し、みんながそういうものを選ばなくても自然と買える世の中にしたい。日本の治安という安全は世界でもかなり高いレベルであるが、食の安全は決して高い方ではないことを多くの日本人は知らないのではないかと思う。

次にやりたいのは、以前の記事にも書いたテレビ東京のニッポン行きたい人応援団で外国人が訪れた場所で、現在、後継者がいないとか、経営が苦しいとか、材料が手に入らないとか、外国人が心の底から愛してくれるほど、本当に素晴らしい技術だったり、製品だったりするものを支援したい。何故なら、色外国人がそこまで愛してくれているのに、何故か日本人が知らないということのために衰退してしまうのは寂しいし、非常にもったいないからである。あの番組の影響力は大きいようで、一度取り上げられると、結構売り上げが伸びたとか、弟子が増えたとか、そんな効果があるみたいだが、それを一過性のものにせず、番組とも協力しながら、継続的に支援出来るようにしたい。

そして、最後は芸術の国の建設。これはかなり長くなるので、いつかに回したい。

お金のない私は、いつもお金があったらなぁと考えている。最初は確かに私利私欲というか、自分のためにお金を使ってみたいと思っていたが、だんだん長いこと考えていると、それが虚しいことのように思えてきて、お金があれば政治家のようなことが出来てしまうじゃんと思い始め、5年くらい前からお金持ちになったら、公共性の高い使い方をしたくなった。そこから、色々何がいいかなぁと考えてきて、今はこんな感じだ。

過去には、地方都市を作るとか、外国人のための施設とか、教育機関とか、まぁ色々考えたが、お金持ちになれない間に優先順位が変化してきた。ただ、一つだけ言えることは、私がお金持ちになれば、必ずトリクルダウンは起こるということ。

お金持ち荷いつなれるのかによって、何をやるかは変わるとは思うが、基本的な概念というか公共性の高い、みんなが困っていることにお金を回していきたいという意思は変わらないはずである。