ギターについて

私は幼少期にピアノを習っていたが、あまりにピアノが嫌いで、忘れもしない毎週火曜日がレッスンだったのだが、火曜日と聞くと、学校帰りに家には帰らず、逃げ回っていた。母が近所を捜索し、見つかると連れて行かれるという生活で、だんだんと音楽全体が嫌いになり、学校の音楽の授業もリコーダーだのピアニカだのの練習は一切せず、歌を歌うことも嫌で嫌で仕方なかった。

そんな音楽への不義理が祟って、未だにカラオケでも音痴を披露したり、絶対音感はもっての外、音を覚えることがこの歳になっても全く出来ない。

しかし、そんな中でも中学校に入り、担任の先生がギターを授業で弾いて歌ってくれるという機会があり、自分なりにとてもかっこいいと思ってから、ギターに興味を持ち、そこからは、逆に音楽が大好きになった。以前も、Jpopの記事を書いたが、音楽の素晴らしさにようやく気が付いた。あの時にピアノをちゃんとやっておけばと思わないかと言えば嘘になるが、あの時は多分何を言われてもダメだったと自覚しているので、そこまでの後悔はない。

ギターの素晴らしさは、まずドラムやピアノとは違い、持ち運びが比較的容易な楽器であり、旅先にでも持って行けることと、ベースとは違いコード弾きであればどんな歌でも弾き語りが出来ることである。自分で歌わなくても、ギターを弾けばみんなで歌うことも出来るので、パーティーなんかでも活躍出来る。また、音の大きさも、トランペットなどはあまりにも大きいし、ウクレレだと少し小さい。楽器の値段もバイオリンなどに比べると手頃だったり、ハーモニカのように口が塞がれることもないので、歌いながら弾ける、などなど、色々都合のいい楽器であると言える。もちろん、楽器ごとにそれぞれいい面があり、音色や演奏出来るものが違うので何が一番いいかとは言えないが、趣味で気軽に楽しむにはギターはとても良いように思う。

今までエレキギターも含めて、色んなギターを弾いてきたが、未だに持っているのは、中学校時代にお小遣いを貯めて買った2万くらいのギターである。もう二十年以上も前のギターできっと音も良くないのかもしれないが、それは全く気にしないというか、自分では気がつかないので、満足して使っている。

ここまで長持ちしたのは、丁寧に大事に扱ってきたというより、使用頻度があまり高くないことだろう。やはり学生時代はよく弾いていたが、社会人になってからは普段の生活ではなかなか弾く機会もなく、部屋の片隅で時を重ねてしまっている。たまに弾く度に弦を取り替え、またしばらくお蔵入りという感じである。

昔は、作詞作曲したりもした。フォークソングが好きであまりリズムや音階などは気にせず、気の向くままに詞と曲を重ねる感じ。多感な時期にこんなことをして気を紛らわせたり、暗い気持ちを明るくしたり、とてもギターに助けられた思い出もある。

また当時はバンドブームで、ギターを弾けることでバンド活動が出来たりして、交友関係にも大きな影響があった。やはり、バンド仲間というのは、一緒に何かを作り上げるという関係なので、強い繋がりになる。

コロナ禍の続くなか、家の中で何か音楽でもと考えているなら、フォークギターをオススメしたい。初心者セットで一万円前後のものもあるし、教本もたくさんあるので、気に入ったものを選べるので、わざわざ教室に通うことなくある程度のところまでは弾けるようになるはずである。

いつか子どもにもギターを教えてみたい。