私は旧ソ連で生まれたので、自分の中で第二の母国はロシアだと思っている。
日本におけるロシアのイメージというのはあまり良いものではないことはわかっている。 しかし、それも何かの情報操作のような物が多くて、本当のロシアを知らない人が多いのではないかと思っている。マフィア、秘密警察、北方領土、共産主義、そして、笑顔のない暗い人々。全てがウソや誇張があるというわけではないが、そういう部分だけじゃないことを書いていきたい。
私が住んでいたのは0歳から4歳と11歳から15歳の2回に分けて4年ずつ計8年である。生まれた時から4歳までの間にロシア語を覚え、普通に話していたとのことだったが、2回目のロシアに行った際には既にロシア語は忘れていた。
そして、2回目の際にロシア語をもう一度勉強し日常会話レベルはできるようになったが、学校も日本人学校であったため、ネイティブレベルまでには当然いかなかった。
そして、この時期にはよく親に連れられてボリショイ劇場や、コンサートホールに行っていた。本当に贅沢な経験だった。また、モスクワの赤の広場や美術館、博物館、特に母がモスクワ大学で勉強していたことから、モスクワ大学の関係者しか入れない博物館にも入れてもらったりもした。さらに、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館や壮大な宮殿、教会などにも行った。ロシアは私が行ったその他の国々と比べ、はるかにこのような文化的、または芸術的な経験がたくさんできる国であった。
また、ロシア人が、笑い好きな一面があるのは、意外と知られていないかも知れない。ロシアには、小話というか、物語調ジョークがかなりたくさんあり、著作権の関係で、どこまで書けるのかは分からないが、大統領を揶揄したり、ロシア人自体をオチにしたエスニックジョークのようなものがある。そういうものを総称して、アネクドートと呼んでいて、それに関する本もたくさん出ている。オススメは、米原万里さんの著者である。たくさんロシアに関する本を書かれているので、是非読んでもらいたいが、その中でもオススメは、『ロシアは今日も荒れ模様』である。アネクドートのこと以外にも、ロシアの面白い話がたくさん書かれている。
ロシア人というと、冷たい暗い怖いというイメージがあるかもしれない。それは、ハリウッド映画などに出てくるロシア人がいつもスパイとか、殺人鬼とか、そういうイメージ操作されてしまっているが、実際には日本好きで人懐っこい人が多いイメージがある。
ここで私の好きなロシア人ユーチューバーを紹介したい。
アリョーナさんという方で、日本好きということもそうだが、その視点がいつも面白い。このような日本に住む外国人のユーチューバーのチャンネルが好きでよく見ているが、ロシア人ユーチューバーの中では彼女のチャンネルが今は、一番面白いと思う。ピロシキーズも好きで、彼らはロシアで生まれるも、幼少期に日本に来て日本の教育を受けているので考え方もほとんど日本人である。そういう人から見たロシアの視点がなんとなく私に近くて、すごく面白い。
そして、私がロシアと日本の関係を考える上で、一番期待しているのは科学技術分野での交流である。ロシアという国は冷戦時代にアメリカと色々な科学技術の競争していたがある時を境に世界の表舞台から消えたように見えた。しかし、実際には経済分野において大きな成果が出ていないだけで、基礎研究の部分ではかなり多くの成果が未だにあるようだ。現在、アメリカや中国などが多くの電子機器その他の最先端機器において世界をリードしているように見えるが、それは単に売れる製品を作っているというだけの話である。 実際の科学技術というのは、もっともっと基礎的な研究が大事であり、そういう技術や研究データを持っているのは、実はロシアだったりする。 日本も昔は基礎研究が盛んだったが、今はどうしても経済優先になり基礎研究がおろそかになりつつある。よって、ロシアの基礎研究と日本の製品化する技術、つまり工業化技術を融合すればきっと大きな成功を収めることができると考えている。
政治的にはなかなかロシアと日本というのはアメリカの影響もありうまくいかないことも多いが、人と人との交流や、ロシアと日本がお互いに得意分野を持ち寄って新たな何かを作ろうとしたとき、この2カ国はとても大きな力を発揮できるのではないかと思っている。
私も今は時間がなく、なかなかロシアの技術などを勉強する時間はないが、父の助言をもらいながら、いつかこういう分野に自分も協力できたらと思っている。