この頃、小学生等を対象にしたパラリンピックの観戦の是非が問題になっている。確かに、感染と観戦、言葉遊びみたいだが、どちらを優先すべきかは悩ましい。修学旅行は中止なのに、なんで観戦だけはいいのか?なども議論の対象にはなっている。
個人的には、小池都知事の意向と同様に、子どもたちにはパラリンピックを会場で、直接パラリンピアンの競技を見せてあげたいと思う。
しかし、一点、この議論で納得出来ない点がある。それは、何故パラリンピックだけを子どもたちに見せたいと意気込んでいるのか?という点である。
小池都知事の言葉を借りれば、頑張っているパラリンピアンの姿を子どもたちに見せたい、とのことだが、今回同じように無観客で行われた東京オリンピックはどうなのだろうか?オリンピアンはパラリンピアンに比べて頑張っていないのか?子どもに見せる価値がないのか?
このように小池都知事に詰問したら、きっと、もちろんオリンピアンの姿も見せてあげたいと思っていました。だから、学校での集団観戦を推進したんですが、、、などと答えるのかもしれない。
しかし、本当に子どもたちに見せたいというなら、リオオリンピックで銀メダルを取った素晴らしいバトンリレーが魅力の男子400mリレー決勝を夜中の23時にやるだろうか?その他の競技も、19時や20時過ぎから始まるものばかり。まるでどこかの国の放送時間に合わせたような時間で、海外の大人ではなく、日本の子どもたちに見せたいというならせめて17時とか、逆に夏休みだったことを考慮すれば、平日の昼間だって良かったはずである。小池都知事がオリンピアンについても真剣に子どもたちにその姿を生で見せたいと思っていたかどうかは定かではないが、これに対する小池都知事の発言と対応は、あまりにもオリンピアンに対して失礼ではないかと憤りを感じた。
そもそも、日本でオリンピックをやるなら、雨が少なく、気温も涼しくなる10月がベストであるはずだ。どこかの国では、野球のクライマックスとフットボールシーズン開幕と重なってしまうようだが、、、。真夏の開催で、テニス、陸上など色んな競技者から時間の変更などの要望が出される始末で、競歩とマラソンに至っては東京では実施出来なくなるほどだ。今年の夏が異常に暑かったのならまだわかるが、ほぼ平年並だったはずなので、想定内だったはずであり、非常にお粗末な開催日程の決め方だった。
"午前11時は米東部時間の午後10時。米国で五輪の独占放映権を持つNBCが、2大会ぶり最多5度目の金メダルを狙っていた米国の決勝進出を見越して時間設定したとみられる"、というのが、女子サッカー。こんなことが話題になるくらい、あからさまに子どもの観戦なんか視野にはなく、放映権料のことしか考えてないことがわかる。
だから、放映権料の都合で、オリンピアンの姿は日本の子どもに直接観戦してもらうことはできない、というのが小池都知事の本音だろうか?しかし、それは逆にパラリンピックは放映権料が低くく、日程の自由度が高いとでも言いたいのだろうか?本当にひどい話である。
今回の東京オリンピックは、子どもに見せたいシーンはたくさんあった。詳細は以前の記事(https://hachyn61.hatenablog.com/entry/2021/08/08/203030)を見てもらいたいが、子どもが見やすい時間のものはほとんどなかった。せっかくの自国開催だと言うのに、お金のために、子どもの観戦を犠牲にしてきたのだ。
そして、今回のパラリンピックの観戦。
冒頭で書いたように、私はパラリンピックを観戦させてあげたいというのが、本音ではあるが、オリンピックでは全くと言っていい程、子どもの視聴を考慮してなかったという対応をみているので、手放しで小池都知事を支持出来ないという苦しさはある。むしろ、何故パラリンピックだけ?オリンピックの時はお金のことしか考えてなかったのに?オリンピックは子どもに見せる価値ないの?オリンピアンは頑張ってないの?という疑問しか湧いてこないのだ。
きっとオリンピックに出場した選手たちも、子どもたちが会場に来て、声は出せなかったかもしれないが、日の丸を振ってくれるだけでも、もっともっと心強かっただろうと思う。
もう少し、日本のオリンピアンを尊敬し、そして子どもたちにも、超一流のスポーツ選手の姿、彼らの努力や才能、そして勇姿を見せてあげて欲しかった。
パラリンピックは、いよいよ明日、開会式を迎える。またきっと日本を元気づけてくれるのだろう。