今年の日本シリーズについて

スワローズとオリックス。セパ両リーグで、最もファンの少ない2球団の日本シリーズということで、最も盛り上がらないと言われていたが、蓋を開けてみると、近年稀に見る、見応えのある日本シリーズになった。スワローズファンだからそう思うのかとも思っていたが、ネットニュースには両チームを称えるコメントや記事が多数あり、多くの野球ファンを魅力する日本シリーズとなったんだなぁと思った。

少なくても、去年と一昨年は、2年連続巨人が4連敗してるので、セパ両リーグの人気球団同士の日本シリーズよりは格段に面白いシリーズだっただろう。

以前も書いたが、高津監督と中嶋監督の戦いは、野村と仰木という伝説の監督の教え子同士。なんと言っても、監督同士のぶつかり合いが面白かったシリーズだった。さらに、打線は3番4番の山田村上、吉田杉本の対決、投手は奥川高橋、山本宮城の対決、などなど見どころは多かった。

今回、6戦全部2点差以内の超接戦の日本シリーズ。多くの解説者はオリックスの優勝を予想していた様だった。その理由は絶対的エースが二人いるため、最悪第7戦までもつれても、この二人で4勝を計算出来るからだ。対するスワローズには、その様な投手がいない。野球は投手で決まる、という人もいるくらい、投手が試合を決めるので、この様な予想が多いことは理解出来た。また、そもそも史上最強と言われていたソフトバンクに勝ち、勢いのある楽天、ロッテを倒してきたオリックスはどう考えても最強なので、オリックスが勝つと考えるのが自然だった。

しかし、実際に優勝したのはスワローズ。勝因は何だったのかなと考えたら、チーム一丸かどうかだったのかなと思った。野球というのは、面白いスポーツで団体スポーツであるものの、打席に立てば個人技だ。しかし、両チームの違いは、大エースのいるオリックスをどう全員で崩すか考えていたスワローズと、二桁勝利のいないスワローズに対して、自分のバッティングをすれば勝てると思っていたオリックスの違いではないかと思う。実際にオリックスベンチでどんな話をしていたのかは分からないので何とも言えないが、先発投手陣の球数を見るとそれは明らかである。オリックスの山本、宮城は打たれはしないものの、たくさん投げさせられていた。その後の試合もスワローズの選手は自分が打てないことより、とりあえず投げさせる、攻略することに徹していたのに対し、逆にオリックスのバッターは早打ちで、スワローズの投手の球数はみんなとても少なかった。対戦の経験がない他リーグの投手との短期決戦となると、それまでのデータもたくさんあるとは思うが、その日の調子や状態をみんなで共有することはとても重要で、この辺りのベンチワークにはあまり見えない差があったように思う。

投手の差は特になかったように見えたが、これはものすごいことで、オリックスの山本と宮城は球界きっての名投手で、特に山本は名実共に日本一の投手であり、沢村賞も受賞してる。しかし、そんな投手が2試合に登板しながら、結局、勝ち星無し。また、宮城にも勝たせなかったが、対するスワローズは二桁勝利投手もいないし、タイトルホルダーも先発投手にはいないのにも関わらず、投手力には差がなかったと言わせたのだ。これは、偶然なのか、必然なのか。必然だとすれば、それは中村捕手の功績かもしれない。特に、第4戦の石川投手の好投。もちろん、奥川、高橋(プロ初完封勝利を日本シリーズ達成!)、小川、原、高梨も素晴らしく、シーズン以上の内容だったように思う。パ・リーグには多くの好投手がいる中で勝ち抜いてきたオリックスの強打者をよくみんなここまで抑えたと思う。

そして、ベンチワークが良くて、バッテリーが良くても、打たないと勝てない。打者もそれぞれみんないいところあり、残念なところも、もちろんあったが、全てひっくるめて、ベストモーメントを3つ挙げたい。

 

3位 両外国人サンタナ、オスナの活躍の全て。今年から加入し、家族とも別れて特殊な日本で暮らす大変さもありながら、チームに溶け込み、ここまでの成績を残したのはすごい。特に第3戦のサンタナの決勝2ランホームランと最終戦のオスナの山本から3ヒットでしかも先制のホームインで、重い1点をもぎとった。

 

2位 山田哲人!第5戦5-2で負けてるところから、同点3ラン!これまで、逆シリーズ男と言われ、確かに日本シリーズが始まってからこれまでホームランも、ほとんどヒットもなく、沈黙していた。しかし、ここで頼む!という絶好の場面で3ランホームランで同点に追いつくとはまさに奇跡!泣けるシーンであった。

 

1位 川端慎吾!第6戦 5時間に及ぶ大熱戦となった最終戦の最終回表。1-1の同点からの勝ち越し弾。2015年に首位打者を取ってから怪我にも泣かされながら苦労と努力をしてきた川端慎吾は今シーズン代打の神様として降臨し、幾度となくチームを救ってきた。そんな男が、ここでまた値千金のタイムリーヒット。まさにドラマや映画に出てきてもおかしくないような巡り合わせに感動した。

 

私は、日本シリーズはおまけと思っていたが、今回のスワローズとオリックスの戦いを観て本当に素晴らしかったと思った。

 

そして、私のブログ100投稿目の日に、スワローズ日本一とは、何かの縁を感じずにはいられない。