戦争の足音について

物事というのは、因果があるなぁと思う。原因があって、結果がある。結果の過去形(名詞の過去形なんておかしいが)、それは目標。となると、原因の過去形は手段となるか。抽象的で分かりにくいかもしれないが、要するに、ある動きが起これば、必然的に得る結果があるということだ。

私はそれをQUADに感じている。

QUADとは、アメリカ、インド、オーストラリア、そして日本で構成される軍事同盟。軍事同盟というものの目的は、戦争が起こった際の共同体制を組むというものであり、戦争が前提の結び付きである。つまり、戦争の準備。

我々は、歴史を学んでいるので、過去の軍事同盟と戦争の経緯を調べることが出来る。例えば、日英同盟のあとの日露戦争。日独伊三国同盟の後の第二次世界大戦。なんにも無い平和な時代だと思えば軍事同盟などは必要もないし、議論もされないはずなので、軍事同盟というのは明らかに有事を想定している、または予期してのこと。さらに言うと、軍事同盟が戦争を誘発、または戦争への距離を縮めているという側面すら否定出来ない。

つまり、これが因果になるのではないかという不安と恐怖がある。

戦争というのは、誰かの利益のために行われる。得をする人がいない戦争はなく、必ず誰かが得をする。しかし、世の中はプラスがあれば、どこかにマイナスが必ず生まれるので、戦争という明らかに大きなマイナスが見えている時、どこかにとてつもないプラスを享受する者がいることは物理学のエネルギー一定の法則のようなもので、容易に想像できる。ただ、それが誰なのか、具体的なことは分からないまでも、そうでなくては、戦争は起こらない。少なくても、国民のためではないと思う。戦争当事者で得した、とか、幸せだったという一般市民は少なく、勝っても負けても、大切な人を失うなど一般市民は犠牲を払っている。

QUADの仮想敵国というのは、ロシアと中国。つまり、QUADは彼らへの挑発行為でもある。資源を持つロシア、金を持つ中国、そんなリッチな国からQUADメンバーが何かを奪おうとする目的があると、ロシアと中国は考えるだろうから、それを必死に守ろうとするだろう。守るためにはどうするだろうか?きっと戦うしかないと考えるのだろう。

もうお分かりかと思うが、タイトルの戦争の足音とは、まさにQUADである。QUADの先にあるのは、間違いなく戦争であり、日本が壊滅する可能性すら否定出来なくなってきた。

冷静になって考えると、もし、不良グループに囲まれて、殴られたとした場合、そこから逃げることを考えると、どうするか。一気に全員を倒すことは普通は難しいので、まずは一番手近な弱そう相手を倒すことを考えるだろう。この理屈で、この4カ国ならどこを最初に狙うか、それは日本になるだろう。ロシアからも中国からも一番近いし、そこまで弱いというわけでもないだろうが、インドはとにかく人口が多いし、国土も広い。そして、インドはロシアとの繋がり(友好関係)がある。オーストラリアは遠いし、大英帝国の一員でもあるから、QUAD以外の繋がり、つまり援助があるだろうし、アメリカは言うまでもなく強い。となれば、日本が最初の標的になることはほぼ間違いない。労働人口が少ない日本は、つまり戦闘員も少なく、軍事費の面では負けていないものの、戦うことに積極的ではないので、最初の標的にはもってこいである。

QUADの目的は軍事同盟であり、ロシアや中国の脅威に備えるというのだが、実際には米国からすれば兵器の販路を拡大するという目的があり、これからますますセールスが激しくなるような気もする。それを知ってか知らずか(知ってるに決まってる)、岸田総理は防衛費の増額を発表。これは本当に防衛費なのか?逆に国を売り渡すことを約束したようなもので、売国費なのではないかとも思ってしまう。

ウクライナ問題は色々な観点から書いてきたが、未だに収束せず不幸な状態が継続している。その犠牲の中で、NATOは結束を高め、軍事費を増大させ、さらに加盟国も増えた。そして、日本もQUADと軍事費を上げることになった。この2つに加盟するのは、米国のみであり、NATOの動きも、QUADの発足も、ウクライナ問題を皮切りに、米国にとって都合の良い方向に進んでいて、色々考えてしまう。

我々はこんな状況にいて、戦争の足音が聞こえてきて、この後、どうすればいいのだろうか?日本が戦争に参加する日もそう遠くはない。何故なら、日本に戦争を放棄させた米国が、今度は軍事同盟を結ぶことを迫ってきたのだから、むしろ一緒に戦えというメッセージであると捉えるしかないからだ。そして、戦争になれば、真っ先に中国やロシアにやられてるのは日本だが、そんな様子をアメリカは見て、自分たちが彼らと戦う時の参考にでもしたいのだろう。今回のウクライナのように、ロシア批判や経済制裁はしても、結局やるのは武器提供だけという詐欺師のやり口でアメリカは情報を集めている。

私としては、不可能だとは思いつつも、QUADから出てもらうことが、戦争回避への道なんじゃないか?と思っている。何故なら、軍事同盟と戦争は、因果の関係にあると思っているから。