さだまさしについて

スワローズ繋がりで、私の大好きな歌手の一人である、さだまさしさんについて今回は少し書いてみたい。(さだまさしさんはスワローズファン)

日本は世界でも珍しいことがたくさん起こるが、歌謡曲についてもそうで、宗教的なものは別として、男女の恋がテーマでない歌が流行るというのも日本特有と言われている。そして、その中でもさだまさしさんが歌ってきた家族をテーマにした名曲の数々はまさに日本人の心を震わせてきた。もちろん、さだまさしさんというのは昭和または平成初期の時の曲が多いのだが、今聴いても、古さはなく、むしろこの歳になってさらに深く彼の歌詩の意味を噛みしめられ、そしてあのか弱いようで、どこか力強いさだまさしさんの歌声によって、励まされたり、慰められたり、哀しみや辛さをそっと和らげてくれたり、まさに心の処方箋というのが、私にとってのさだまさしさんなのである。さだまさしさんの名曲はあまりにも多いので、今回はその中で家族がテーマで、私が好きな曲を何曲か挙げてみたい。本来、一曲につき、一記事になるくらい書きたいことは多いのだが、私がダラダラ書くより、機会があれば是非聴いてもらいたいし、詩を読んでもらいたい。

 

○案山子

これは、上京して一人暮らしをする息子に贈った歌だと思うが、私も高校時代は親と離れて過していて、その時にはこの曲を聴いて、何度も、うるっときていたのを覚えている。しかし、親になって改めて聴くと、もう涙が止まらなかった。親を思う心に勝る親心とはこの事なのか、もう違う曲かと思うくらいの衝撃だった。

金頼むの一言でもいい、お前の笑顔を待ちわびる母さんに聞かせてやってくれ。

 

○関白宣言

○関白失脚

この二曲はセットで書いてみたい。どちらもさだまさしさんの代表曲でみんなよく知っていると思うので、曲の説明については書かないが、この二曲が私が初めて聴いたさだまさしさんの曲である。そして、私の父がたまにこの曲を聴いていて、その度に涙を流していた。滅多に泣かない父ではあったが、この曲にはいつも泣かされていた。

そして今、私もまた、この曲に泣かされている。父としての愛、夫としての愛。普段自分が言葉に出来ないことが、さだまさしさんが全て代弁してくれているような気持ちになる。名曲中の名曲。

 

○親父の一番長い日

○ママの一番長い日

これも二曲セットで書きたい。これは、聴いてもらえば、というか歌詩を読みながら聴いて欲しいのだが、最初から最後まで、ずっと泣きっぱなしである。一つの長い人生を、そしてそのクライマックスを、一曲にまとめてあり、色んな思いが自分と重なって、涙が止まらない。色んな人への感謝が湧き上がったり、そしてどこか郷愁に溢れていたり、2つとも一本映画または小説のような曲である。

 

魔法使いの弟子

最初はおとぎ話の歌かなぁと聴いていると、最後にふと夫婦愛が、家族愛が出てくる。こういう曲のように、将来、息子に語ることが出来るといいなぁなんて考えさせられる曲。

 

この他にも名曲はたくさんあり、平和や自然、政治みたいなものをテーマにすることもある。また、さだまさしさんの魅力は曲だけでなく、彼の人柄や軽妙なトークもある。

ただ、彼の詩は、そして声は他に類をみない。

彼の詩を読んでいると男の弱さを本当に思い知らされる。父であること、夫であることで、男は強さを求められる。そして、妻や子どもからそう思われたいと思うから、また強くなろうとしてしまう。しかし、本当はそんなに強くないし、むしろ弱さを知って欲しかったりもする。そして、本当は大切に想っているのに、伝えられない気持ちや、強がって言ってしまう後悔しか残らないセリフの出処を見つけてくれる。